No.302「ぼたもち!」  2003.3.21

 写真・・・美味しそうなぼたもち(*^_^*)

 お彼岸です。

 スーパーのレジフロントにも、おはぎが並んでいます。

 コチサはおはぎが大好物なので、レジに並んでいると、つい手が出てしまいます。

 つぶ餡のおはぎが、口の中で「半殺し」のもち米と混ざる食感がたまりません・・・

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       ・・・廊下を走るコチサ・・・

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 コチサ

 「お母さん、何やってるの、まだ寝ないの?明日早いんだじょ。みんなお墓参りに行くんだじょ」

 お母さん

 「あんこをな、こしらえてるんよ」

 コチサ

 「コチサ、お母さんの作るあんこ好きやで」

 お母さん

 「ありがとう。さっ、もう寝なさい」

 コチサ

 「うん、お休みなさい。あっ、それからあんこな、全部ぼたもちにせんといてな。コチサ、あんこだけのも食べたいんや」

 お母さん

 「わかったで。早よ、寝なさい」

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 ※コチサ注
 コチサの田舎ではおはぎを「ぼたもち」と言います。
 東京のぼたもちとはちょっと違うかも知れません。

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 写真・・・あんこ

 小豆を水に寝かし、火鉢でぐつぐつぐつぐつ一晩中・・・

 こっくりこっくりしながら一晩中・・・

 写真・・・これまた美味しそうなぼたもち(*^_^*)

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       ・・・廊下を走るコチサ・・・

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 コチサ

 「お母さん、おはよう!」

 お母さん

 「おはよう」

 コチサ

 「わーぼたもち、こんなにたくさん、わー」

 お母さん

 「お前の好きなあんこだけのものもあるで」

 コチサ

 「わー、ありがとう。もう食べてもええか?」

 お母さん

 「お墓さんで食べなあかんで。ご先祖さんといっしょに食べるんや」

 コチサ

 「ふーん・・・じゃぁ、早よ、行くでぇ」

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       ・・・廊下を走るお母さん・・・

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 お母さん

 「サチコ、サチコ、大丈夫か?」

 コチサ

 「痛いのじゃぁ、お腹が痛いのじゃぁ」

 お母さん

 「昼間、あんなにぼたもち食べるからやで」

 コチサ

 「痛いのじゃぁ、痛いのじゃぁ」

 お母さん

 「全く、これじゃ明日は学校休まへんといかんな。連絡帳どこや?ランドセルの中か?」

 コチサ

 「わーわー、ランドセル、開けたらあかんで。うわーお腹が痛いのじゃ〜」

 お母さん

 「(ランドセルを開けて)な、なんやこれ。あんたランドセルの中にぼたもち入っとるやないか」

 コチサ

 「明日の朝、食べようと思っとたんじゃ(ーー;)・・・取っておいてつかぁ〜さい」

 お母さん

 「お前は、この期に及んでまだそんなことを・・・」

 コチサ

 「・・・。痛いのじゃぁ〜」

 写真・・・赤いランドセル

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       ・・・廊下を走るコチサ・・・

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 コチサ

 「お母さん、大変や、ランドセルのぼたもちが消えとる」

 お母さん

 「夕べのうちに、捨てといたわ。そんな事よりあんたお腹は治ったんか?」

 コチサ

 「うん、おっきなう○ちしたら治ったわ・・・ぼたもちみたいやったで(*^^)v」

 お母さん

 「お前はいっぺんとことん痛い目にあわんといかんらしいな・・・ん?こら、サチコ、お前何食べてるん?」

 コチサ

 「ん?、これはただのあんこや。ぼたもちはお母さんに捨てられたけど、あんこは筆箱の中に隠しといたからな。気づかれんかったみたいやな」

 お母さん

 「・・・」

 写真・・・ゾウが踏んでも壊れない筆箱 ゾウが踏んでも壊れない筆箱(^^)v

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       ・・・あぜ道を走るコチサ・・・

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 コチサ

 「行って来るでぇー(^^)/~~~」

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       ・・・あぜ道を追いかけるお母さん・・・

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 お母さん

 「サチコォー、待ってぇな。ハンカチ持っていかな。口のまわり、あんこだらけやでぇ!」

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 写真・・・ぼたもちだらけのコチサニュース(*^_^*)

 東京のスーパーのおはぎは、いつも少しだけしょっぱい。

 最初は隠し味の塩が効き過ぎているのかと思ったけど・・・

 それは、いつもおはぎを食べる時、コチサがこんなお母さんとの想い出を思い出してしまうからだとわかりました。

 想い出はいつも、もの寂しくてほんのり涙味・・・


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