No.112 2001.7.6
やっと・・・
本当にやっとジャグリングが出来るようになりました。
勘の良い人は2週間で出来て、2ヶ月たっても出来ない奴はもうやめていくと言われるジャグリングに、コチサは何と1年を擁してしまいました。
師匠
「いやー出来るもんなんだね、実はもう無理かなって諦めていたんだよ」
コチサ
「コチサもです。まさか、こんなある時、急に出来るようになるなんて」
師匠
「苦節1年だね」
コチサ
「苦節1年です」
師匠
「手、すごいね」
コチサ
「えぇ、すごいですね」
コチサの腕の外側、肘から指先にかけての、3分の1の指先側の部分に、異常な筋肉がついて盛り上がっています。
師匠
「こんなところに筋肉がつくんだね」
コチサ
「努力は、こういう形で実を結ぶんです」
師匠
「しかし、不気味な形だね。手のくせに豚足みたいだね」
コチサ
「失敬な・・・」
しかし、よく見るとまさに豚足の形です。
手が豚足になるなんて、こんな経験めったに無いことです。
コチサ
「でも良く見ると確かに・・・何か美味しそうですね」
師匠
「これから豚足と呼ぼうか」
コチサ
「それも良いかも知れませんね。この努力の勲章を忘れないためにも」
という事で、満足しての帰り道。
自転車で進みすぎてちょっと距離が離れたコチサを、師匠が大きな声で呼び止めます。
師匠
「おい、ちょっと待ってくれ、豚足!」
コチサ
「はい!」
何気に止まって振り向いたコチサですが、その時、周りにいたたくさんの人たちの視線を感じました。
そしてその人たちの視線は、コチサの足に注がれます。
迂闊だった・・・
そうだよね。
「豚足」なんてあだ名で呼ばれてる奴を見たらみんな足を見るよね。
努力の結晶の、手の筋肉の事だなんて誰も思わないよね。
そして何よりコチサが気に入らないのは、コチサの足を見た周りの人たちの視線が、妙に納得して満足そうだったことです。
コチサ
「師匠、やっぱりその呼び名やめましょう」
師匠
「そうだな、どうやら世間に誤解が生じるようだな」
コチサ
「っていうか、誤解が誤解じゃなくなってしまうことが問題で・・・」
師匠
「・・・」
その後、2台の自転車はお互い会話を交わすことも無く、黙々と走りつづけました。
おいおい、コチサ通信第8号に載った七分パンツの話といい、最近この手の話題が多くないか・・・
まぁ夏だからね
|