コチサニュース No.054 2001.2.16

  アッという間に2月も半ばになりました。

 毎年2月、3月はこうして急ぎ足で駆け抜けていきます。

 今年こそ、この疾風のような季節に爪痕を残したい。

 そう願っていたコチサの願いが通じたのか、おかげさまで珍しいものを見せていただくことが出来ました。

 事務所の社長のアゴがはずれたのです。

 人のアゴがはずれる瞬間に立ち会えるなんて、なんてコチサはラッキーなことでしょう。

 時間は午前11時。

 コチサと社長と営業さんの3人での打ち合わせの時でした。



  営業さん

 「あー良かったです、この条件ならウチの方でも喜んでコチサさんにお仕事していただけます」

  コチサ

 「いや、こちらの方こそ、ありがたいことです。ねぇ社長」

 社長

 「んー?、んん」

 (※実はこの時点で、すでに彼の身には異変が起きていたのですが、まだ誰も気がついていなかったのです)

 営業さん

 「あのー社長、何かご不満でも?」

 社長

 「んー、いやー、あー」

 (※何か必死でコチサに目配せを送っている)

 営業さん

 「いや、はっきり言って下さい、お互い楽しく仕事した方が気持ち良いですから・・・」

 社長

 「んーいい、ほれでひいー(これでよい)」

 (※今度は足でコチサをこづいている)

 コチサ

 「どうしたんですか?いつもの社長らしくないですよ、疑問な事があったらはっきり言った方が良いですよ」

 社長

 「いい、ほれでひいー」



 結局、怪訝なまま書類にサインする事になったのですが、この時も社長は真っ青な顔でパニック状態がアリアリ・・・

 真っ赤なペンでサインしちゃったりして動揺しまくり・・・

 くっくっ

 (でも、異変は感じていても、この時点でも誰も本当の事は気づいていなかったのです。)

 そして、営業さんは帰り、何げに社長と正面から顔を合わせると・・・

 ぷっ

 (思わず吹き出すコチサ)

 ・・・何か変



 コチサ

 「社長、何か、顔、変だよ・・・だれかの顔マネしてるの?」

 社長

 「ハゴガ、ハフレテ・・・(アゴガ、ハズレテ・・・)」

 コチサ

 「へっ?」



 そしてついに「アゴがはずれて」の意味が理解できたとき、申し訳ないけど・・・

 ぷっ

 (再び吹き出すコチサ)

 しかし、そうは言っても目の前でパニック状態になっている40男を放ってはおけない・・・



 コチサ

 「社長、(ぷっ)アゴ、全然動かないの?(ぷっ)えっ?閉じないの?(ぷっ)へぇー閉じないんだぁ」

 社長

 「あわあわわ」

 (※かなり焦りまくっている・・・しかし焦れば焦るほどコチサは、心配より笑いがこみ上げてきてしまう・・・)

 コチサ

 「痛みは?(ぷっ)そう、無いのね。口が閉じなくなっただけなのね?病院捜す?(ぷっ)・・・でもアゴがはずれたのって何科?(ぷっ)・・・ねぇ面白いから救急車呼ぼうか?」

 社長

 「ほにー(多分「鬼ー」とコチサの事を言っているのだろう)」

 コチサ

 「ほら、上向いてないと涎がこぼれるよ(ぷっ)」

 社長

 「!?〆〆*(意味不明)」



  いよいよ、これはまずい、本当に病院に運ぶかとなった時、コチサの頭にひらめきが・・・



 コチサ

 「ねぇ、落ちついて・・・もしかしたら焦ってるから口を閉じよう閉じようとしてるでしょ。口開ける事出来ない?ちょっとやってみて」

 社長

 「ん?」

 コチサ

 「いいから、やってみて」

 社長

 「んがぁー」

 (※骨がガクガクするすごい音がしたけど、口は開いた)

 コチサ

 「ほら開いたじゃん・・・じゃぁ思いっきり大きく開いて、かみ合わせを変えれば閉じるかも知れないよ。ゆっくりやってみて」



 それは、壊れかけのブルドーザーが大きくシャベルを持ち上げるような感じで・・・

 ガガガガー、ガ、ガ、ガチャン!



 社長

 「あっ、入った」

 コチサ

 「やったね、コチサ人命救助の巻きだね」

 社長

 「結構、楽しんでたようだな」

 コチサ

 「へっ?」

 社長

 「何回か、ぷって吹き出していたようだが・・・」

 コチサ

 「そ、そんな・・・コチサ真剣に命を救ったでしょ」

 社長

 「人間、こう言うときに本性が現れるな」

 コチサ

 「社長も、結構パニクってたけどね」

 社長

 「そりゃそうだろ、何の前触れもなく突然アゴがはずれるなんて・・・誰だって慌てるだろ」

 コチサ

 「コチサだって子供の頃、肩はずれたよ」

 社長

 「それとこれとは・・・」

 コチサ

 「まぁ、とにかく人助けをしたんだから、感謝こそされても文句を言われる筋合いは無いと思うんですがね」

 社長

 「まぁな、ありがとう」

 コチサ

 「いえいえ、まぁ今回の事は、社長の体面もあることだし、他言無用、コチサと社長の二人だけの秘密と言うことで・・・」

 社長

 「まぁそうしてくれるとな・・・ん?・・・おい、今、目がキラッと光ったぞ、また何か悪巧みを考えてないか・・・なぁおい」



 さすが会社を興すような人間、読みが深い。

 しかしその悪巧みが、こうして3日後にネタとして発表されることだとは、考えつかなかったようですな・・・

 ぷっ


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