No.541 「小さな幸せ」 2005.8.31
 人生の転換期は、いつもある日突然にやってくるのだと思っていました・・・

 気がつくと、突然全てのことがうまく行かなくなっていて八方ふさがりになっていたり・・・

 その反対にあきらめきっていた日々が、急に光に満ち満ちた朝を迎えていたり・・・

 人生の転換期は、いつもある日突然にやってくるのだと思っていました。

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 コチサ
 「・・・でも実は違っていたんだ・・・」

 アンドレア
 「?」

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 アンドレアは、子供の頃、訳あって両親と別れ、叔母さんの家に引き取られて育ちました。

 この叔母さんが結構ひどい人で、アンドレアは辛い思いをしました。

 7歳の時、布教活動から帰ってきた母方の叔父さんがアンドレアの境遇を知り、教会に引き取りました。

 アンドレアは辛い境遇から救ってくれた叔父さんに心から感謝し、自分も神父になることを決めたのでした。

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 コチサ
 「ある日突然という場合もあるだろうけど、多くの場合は実はそうではないんだ・・・」

 アンドレア
 「あの日、叔父さんが迎えに来てくれたとき、ボクの人生に突然光が差したんだ」

 コチサ
 「うん、そうだね。でもコチサは突然じゃないと思うんだ」

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 優しくされない寂しさはわかっていたからね・・・

 叔母さんの家には、二人の子供がいました。

 食堂を経営していた叔母さんは、まだ就学前のアンドレアに出前をさせ、その間に自分の子供たちだけで食事を済ませてしまうというような事を繰り返しました。

 叔父さんがやってきた時も、叔父さんがくれる養育費が目的で、アンドレアに、

 「この家に居たいと言いなさい、楽しいから叔父さんと暮すよりこっちが良いと言いなさい」

 と命令しました。

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 コチサ
 「アンドレアは、辛い苦しい生活の中でも、いつも人に優しくしていたよね」

 アンドレア
 「優しくされない寂しさはわかっていたからね」

 コチサ
 「でもそれだけじゃない」

 アンドレア
 「ん?」

 コチサ
 「人の為だけに優しくしたんじゃないでしょ」

 アンドレア
 「うん、人に優しくすると自分も幸せな気持ちになれたんだ」

 コチサ
 「幸せな気持ちになるって良いものだよね(^o^)」

 アンドレア
 「うん、小さな幸せだけどね(^o^)」

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 この「小さな幸せ」に対して、「突然人生に光が差し、道が開ける」のが、大きな幸せです。

 でも「大きな幸せ」って言うのはなんなんだろう?

 「小さな幸せ」っていうのは、自分の考え方や行動で感じ取ることができる、いわば「自分でコントロールできる幸せ」です。

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 アンドレア
 「大きな幸せって言うのは神が与えてくれる、人間の力では及ばない栄光ってとこかな・・・」

 コチサ
 「神父修行をしているアンドレアには申し訳ないけど、それは違います」

 アンドレア
 「?」

 コチサ
 「それじゃつまんないでしょ」

 アンドレア
 「幸せにつまるもつまんないもないでしょ」

 コチサ
 「繰り返し神父修行をしているアンドレアには申し訳ないけど、全てが神様の思し召しじゃ努力する喜びが無いでしょ」

 アンドレア
 「でもボクはある日突然、叔父さんが現れて救ってくれた・・・これはボクの努力じゃなくて神の思し召しだと思う」

 コチサ
 「コチサは違うと思う」

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 またひとつ「小さな幸せ」を感じた・・・

 アンドレアは夜、なかなか寝付かない叔母さんの家の子供の為に絵本を読んであげていました。

 昼間は叔母さんと一緒になってアンドレアをいじめていた子供たちも、夜になるとアンドレアの絵本を読む声に耳を澄ませ、幸せそうな寝顔をアンドレアに向けました。

 そんな時、アンドレアはまたひとつ「小さな幸せ」を感じたそうです。

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 コチサ
 「小さな幸せはタンポポの綿毛のようなものなんだよ」

 アンドレア
 「あれって耳に入ると耳が聞こえなくなるんだよね(^o^)」

 コチサ
 「子供の頃、よくそう言われたけど、本当にそうなった人いないでしょ・・・それに今は話がクライマックスに向かっているところだし、話の腰を折っちゃだめだよ(`_')」

 アンドレア
 「はい・・・(>_<)」

 コチサ
 「タンポポの花ひとつから、いくつの綿毛が飛び出すのか知らないけど、綿毛がたくさん集まってタンポポの花になっているんだよ」

 アンドレア
 「小さな幸せをたくさん集めると、大きな幸せになるってこと?」

 コチサ
 「そうだよ。毎日知らず知らずのうちに小さな幸せを集めていると、ある日突然タンポポの花が完成されて、大きな幸せになっているってこと」

 アンドレア
 「大きな幸せも、小さな幸せを寄せ集めた自分が作り出したってこと?」

 コチサ
 「そうゆうこと(^o^)」

 アンドレア
 「じゃぁ神の思し召しは?・・・」

 コチサ
 「うーん・・・それはコチサは良くわからない・・・アンドレアが神父になったら教えてちょ^-^;」

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 アンドレア
 「・・・ボクは・・・神父になれないかもしれない・・・」

 ウナ
 「アンドレア・・・ダメよ、それはダメ」

 アンドレア
 「でも・・・ウナ・・・」

 ウナ
 「アンデヨー・・・アンデヨー、アンドレア!」

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 さぁ、アンドレアは神父になれるのでしょうか?

 そして、妙に声の低いヒロイン、ウナとの恋の行方は・・・(^o^)

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 ※
 主人公の名前と役柄及び背景だけを
 勝手に拝借しましたが、
 「小さな幸せ」という今回のお話は、
 実際のストーリーと何ら関係がありません^-^;

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