No.540 「子はかすがい」 2005.8.26
 お米を送っておくれよーっ(^^♪

 コチサ
 「・・・というわけなんだよ」

 お母さん
 「どういうわけ?」

 コチサ
 「だからぁ、お米を送っておくれよーってわけなんだよ^-^;」

 お母さん
 「この前も言ったけど、9月になれば新米になるからもう少し待ってなさい」

 コチサ
「事態は急を要しているんだよ。新米なんて贅沢は言ってられないんだよ、旧米でも自主流通米でもなんでもいいんだよ」

 お母さん
 「お前、母さんと、計画外流通米とか「食管法」から「食糧法」に代わったこととかの話をしたいんか?」

 コチサ
 「冗談だよ冗談・^-^;・・コチサはお父さんとお母さんが日々精魂込めて作っているお米が欲しいだけだよ・・・難しい事はわかんないんだよ、ただ知ってる言葉を言ってみただけだよ^-^;」

 お母さん
 「自主流通米というのはな・・・」

 コチサ
 「わかったよ、もう勘弁してよ・・・農家の事情はわかんないし、知りたくもないんだよ^-^;」

 お母さん
 「でも、米は送れというわけやな・・・」

 コチサ
 「そりゃそうだよ。生きていけないし・・・」

 お母さん
 「自分のお金でお米を買おうという考えはないんか?」

 コチサ
 「益田米を食べて育った人間に、それ以外のお米を食べろということは死ねということにも等しいんだよ」

 お母さん
 「別に外に払えと言っているんやないで、うちにお金を払う気はないのか聞いているんやで」

 コチサ
 「やだなぁ・・・お母さん^-^;・・・子供が元気に両親の作ったお米を食べて生きている、これにまさる喜びは無いでしょ・・・その上、お金を送れだなんて、お母さんも水臭いぞ(^o^)」

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 大きな大きな塩むすびを(^o^)

 ・・・ということで、今回もまた益田米(注:東京ではコチサ米という)が送られてきました(^o^)

 早速、2合ばかり炊いて、大きな大きな塩むすびを(^o^)

 おまけとしてお母さん手作りの漬物も入っているので、食が進みます。

 コチサ米の良いところは、お米が美味しいのでお米だけで食べられる事です。

 だからおかずを買わなくて済むので、大助かりなのです(^o^)

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 コチサ
 「もしもし、お米届いたよぉ・・・早速食べてるよぉ(^o^)」

 お母さん
 「今回は少しにしといたで、9月になったら新米を送るけんな」

 コチサ
 「うん。9月まではこれで生き延びるよ^-^;」

 お母さん
 「お前の好きなふりかけも、海苔の佃煮も入っとったやろ」

 コチサ
 「うん、今食べてる(^o^)」

 お母さん
 「お父さんが、お米だけやとあいつはそれだけを食べるから言うて、買ってきてくれたんや」

 コチサ
 「なかなかやるじゃん。コチサの好物を覚えているんだね、あのツルちゃんも・・・^-^;」

 お母さん

 「お父さんのこと、そんな言うとバチが当たるで(`_')」

 コチサ
 「へい、すんまそん^-^;」

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 信じられません^-^;

 コチサ家の三姉弟のうち、今でも実家からタダでお米を送ってもらっているのはコチサだけだそうです。

 妹と弟は、ちゃんとお金を払っているそうです。

 信じられません^-^;

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 コチサ
 「親子の間で、水臭いじゃありませんか、ねぇ^-^;」

 お母さん
 「それだけやない、あの二人は毎月お小遣いをくれるで」

 コチサ
 「そんな失礼な!・・・育ててもらったご恩をお金で返そうとするなんて、コチサは姉として涙が出てきます」

 お母さん
 「・・・何も返さん子供よりええと思うけど・・・」

 コチサ
 「コチサのように、無償の愛で返された方がご両親もどんなに嬉しいか・・・」

 お母さん
 「いくつになっても親のスネをかじり続けるのが、無償の愛なんか?」

 コチサ
 「まぁ・・・そこはコチサも不徳の致すところで・・・^-^;」

 お母さん
 「そうかもしれんな(^o^)」

 コチサ
 「へっ?」

 お母さん
 「お前のような心配の種があるから、お父さんもお母さんも、気力を持って働けるのかもしれんな」

 コチサ
 「そ、そんなぁ・・・」

 お母さん
 「まぁ、ぜいぜいスネかじってや。その分、お父さんもお母さんも頑張るから(^o^)」

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 拍子抜けしたぞ・・・

 なんか変(`_')

 拍子抜けしたぞ・・・

 それに本気で言ってたぞ・・・

 いつものように小言を言われて、こっちは憎まれ口を叩いて・・・それがお互い元気のもとになっていたのに・・・

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 妹・園子
 「まぁええんとちゃう(^o^)」

 コチサ
 「なにが?」

 園子
 「浩二がお嫁さんもらってから、お母さんハリが無くなっちゃったのよ」

 コチサ
 「なんで?心配事が無くなって良かったんじゃないの?」

 園子
 「何十年も親をやっていると、そうでもないみたい」

 コチサ
 「ふーん」

 園子
 「だからコチサ姉、せいぜいお母さんに心配かけてあげて。今それが出来るのってコチサ姉くらいだし・・・」

 コチサ
 「どういうことじゃい、失敬な(`_')」

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 なんという人生なんでしょ・・・

 若くして益田家に嫁いできて、嫁姑の生活を余儀なくされ、姑の晩年は看病に明け暮れ、飲んだ暮れの夫に手を焼き・・・

 (誰が飲んだくれじゃい(`_')BYお父さん)^-^;

 お腹を痛めた3人の子供たちには苦労をかけられ・・・

 それがやっと開放された今、ハリが無くなってしまうなんて、なんという人生なんでしょ・・・

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 世界一美味しい益田米をお金を出して買う事にするとするかな(^o^)

 多分、そうなのかな・・・

 あの田舎の、あの時代の人たちは・・・

 でもだからといって、お母さんの人生が寂しかったり、つまらなかったりするものでは決してない・・・

 幸せでなかったり、楽しくなかったりするものでもない・・・

 お母さんは、きっと自分の人生に幸せを感じているし、このバカ娘コチサを始めとした三姉弟を誇りに思っているはず・・・

 お母さんは寂しがるだろうけど、そろそろ長女も、世界一美味しい益田米をお金を出して買う事にするとするかな(^o^)

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