No.487 「屋根の上のバカ二人、そして羽子板の羽」 2005.2.14
 ちいさなしあわせ・・・ひとつ・・・ふたつ・・・みつけにいこう・・・ゆっくり・・・ゆっくり・・・

 コチサ
 「どうする?」

 社長
 「まぁ仕方ないね」

 コチサ
 「でも生きていくんだよね」

 社長
 「そだね」

 コチサ
 「じゃぁ、まぁ、付き合ったげるか」

 社長
 「悪いね」

 コチサ
 「まぁね」

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 世の中に数々の不条理あれど、まさか我とわが身にそれが降りかかってくるとは・・・

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 「ねぇ、屋根の上に
  羽子板の羽が
  のっかっちゃったの〜
  取ってぇ」

 「おやすいご用さ、
  ちょっと待ってて、
  梯子を持ってくるから」

 「ありがと」

 「よーし、取れたぞ。
  お、おい君、
  梯子を持って、
  どこに行っちゃうんだよぉ〜


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 急に気が変わったのか、羽と羽を取ってくれた人を屋根の上に残して梯子だけを持って消えてしまった依頼者の子ども・・・

 何が望みだったんだろうね。

 そんな事をしたら、欲しかった羽も手に入らないし、もっと大きな忘れ物を屋根の上に残した事が、気になって気になって仕方ないだろうに・・・

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 コチサ
 「バカなのかね」

 社長
 「何が?」

 コチサ
 「人を信じちゃってさ」

 社長
 「そうなの?」

 コチサ
 「いや、それは悪いことじゃないと思うけど・・・」

 社長
 「でしょ」

 コチサ
 「ただそれを繰り返すと、お人よしを通り越して単なるバカだね」

 社長
 「ふーん。じゃぁバカ社長じゃん」

 コチサ
 「そだね、バカ社長だ」

 社長
 「じゃぁ、君はバカ社員?」

 社長・コチサ
 「わーい、わーい、バカ社長、わーい、バカ社員わーい」

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 たくさんの経験をして、ようやくバカ社長とバカ社員になれた二人は、こんな時、恨み言や怒り・憎しみなどが何の役にも立たないどころか、悪いウィルスのように、ますます心を蝕むものだという事を知っています。

 バカ社長とバカ社員である事が、何よりも嬉しい心の支えになっています。

 心が動揺したり、揺れたりした時に、先ずいつもと同じ生活をする事を心がけます。

 それさえ出来ない状況だったら、少しでもいつもと同じ生活に近づけることをします。

 絶望と動揺で前後を見失ったら、息がつけなくなります。

 何も出来ない、全く見えなくなったら、せめて息だけでも普段と同じように出来るように、大きく深呼吸をすべきです。

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 コチサ
 「じゃぁ、一歩歩きますか」

 社長
 「そだね、先ず一歩」

 コチサ
 「あまり大きく踏み出したらダメだよ、屋根から落っこちちゃうから」

 社長
 「そりゃそうだよ、梯子がないからね」

 コチサ
 「あの子、梯子を持って戻ってくると思う」

 社長
 「たぶんね。人には心があるからね」

 コチサ
 「でも、待ってちゃいけないんだよね」

 社長
 「そう、心を取り戻すのはあの子の問題で、僕たちの問題じゃない。あの子にはあの子の時間のリズムがあるんだよ」

 コチサ
 「そだね。おいらたちはおいらたちのリズムで、一歩を歩き出さなくちゃね・・・でも・・・」

 社長
 「ん?」

 コチサ
 「どうやって降りる?」

 社長
 「そだね、どうやろうか?」

 コチサ
 「きっと怖くて、目をつぶって思いっきり飛び出す人もいるよね」

 社長
 「そだね」

 コチサ
 「でもそうすると地上に着かないで、天国に着いちゃうよね」

 社長
 「面白い事を言うね」

 コチサ
 「じゃぁさ、パラシュートみたいなのにつかまって降りるってのは?」

 社長
 「パラシュートっていっても、ここには羽子板の羽がひとつあるだけだよ」

 コチサ
 「これじゃぁね、いくらスマートなコチサでもドスンって落っこちちゃうよ」

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 屋根の上に大の字に寝転がって、地上に降りる方法をあれこれ考えるのも悪いことではないかもしれません。

 ただし、焦らない・慌てないという条件が必要です。

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 コチサ
 「空、青いね」

 社長
 「そだね」

 コチサ
 「雲、白いね」

 社長
 「そだね」

 コチサ
 「鳥、無邪気だね」

 社長
 「そだね」

 コチサ
 「やっぱおいらたち、バカだね」

 社長
 「そだね」

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 るんるん・・・たのしいことさがし

 降りる方法、いまだ見つからず・・・

 でもコチサ、元気モリモリなり(^o^)

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