「コチシム」第6章次点作品

第6章のナイスな「コチシム」作品群

このコーナーは常連さんの溜まり場ではなく、
新人さんの登竜門のつもりなのに、
どうしても常連さんが強いです。
それとも
「コチサ応援団」が飽和状態になったのかしら?


[第6章次点作(その1)]
(3連続登場「グッド、ぐっど!」さんの作品です)

やったーっ!夢じゃないのね、、ウレシイーッ!!もう、とびあがっちゃうわ、天までだってとどきそうよ。これであのブルーな毎日ともオサラバだわ、ユミちゃんありがと、みんなあなたのおかげね。

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真夜中の電話だったわ。ルルルルル。。。

はい、マスダです。。あ、ユミちゃんか。。。うん、「アクセント辞典」をやってたとこ。ユミちゃんは?最近クラスに出てこないじゃない。。。
え?テレビつけるの?。。ちょっと待ってね。えっと、何チャンネル?。。
あら、ヤマモト監督ね。このヒト、見るからにポルノ映画の監督って感じだわ。「最新風俗情報」だって。深夜の番組ったら、こんなのばっかし。。。

ぎゃーっ!ユミちゃんが画面でしゃべってる!!

ちょ、ちょっとユミちゃん!男性ストリップ・レポートぉ!?あんた、いつのまに風俗リポーターに。。フーン、あの放送局でバイトしてたんだ。。
そぉ、スタッフから声がかかったの。やるわねー、サスガ。増山エイコさんのアトガマで「峰不二子」役を狙ってるユミちゃんだけのことはあるわ。。

へ?みんなやってるって、バイトを?。。就職先へ、顔を売ってんのォ!?

し、知らなかった。。2年目になって、ずいぶん遅刻や欠席するヤツが増えたとは思ってたけど。。だって、誰もそんな話は。。。どうしよう、完全に出遅れちゃったわ。。とにかく、明日からあたしも廻ってみるわ。。。うん、
がんばってみるから。じゃあね。

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こうして憂鬱な日々が始まったんだわ。
自分じゃ無遅刻無欠席の優等生だと思ってたのに、みんなはとっくに目の色変えて就職活動してたのね。

あわててあたしも各局へ顔つなぎのバイトをもらいに行ったんだけど、やらされる仕事なんて、芸能人大運動会のプラカード持ちとか、番組に出る幼児の演技指導とかばっかしなの。いくら教えてもダンスがうまく踊れないガキの相手なんかしてたら、もうホント、疲れる。

ユミちゃんがうらやましいわ。あの子みたいに艶っぽい話し方ができたら、あたしにだってチャンスが。。練習すれば、可能性あるかしら。
「もしかして、セクシー?」、なんてね。
ああ、あたしも、思いっきり「声」のお仕事がしたいっ!!

ウツウツしてたら、見かねたユミちゃんが話を回してくれたの。単発だけど、出る人を探してるからやってみない?、って。
すぐさま跳んでって、必死で売り込んだわよ、なんだってやらせていただきますから、お願いします。。

なんと、決まったのよォ!若い人向けの「見逃せないトレンディ・スポット案内」番組なんだって。やったァ!トレンディなレストランで豪華フルコースを紹介しちゃう、とか?ヤングが対象じゃ、そこまで期待するのは無理ね。
まあ、いっか、この際ランチ・メニューでも許しちゃうわ。
とにかく、うれしい!もう、天にものぼるここち、って感じ、ラッキー!!やっぱ、持つべきものは友達よね。感謝、感謝!ありがと、ユミちゃん!!

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レストランの食事のシーンで出番がなかったのは、ちょっと残念だったわ。
でも、さあ、これからよ!
クルーは手慣れた様子でカメラやマイクのテストを終了。
「はぁい、まもなく本番いきまーす!」

顔、引きつってますか
?。。ええ、ちょっと、緊張しちゃってて。
あんまし馴れてないもんで。。はい、わかってます。
思いっきり、声をだしていいんですね。。喉がかわいちゃって。。
何か飲むものいただけますか。。さっき飲んじゃいました?
あたしが全部。。ははははは、、、。。。

もう、泣きそうよ。いまさら逃げ出すわけにもいかないし。。。
「アクセント辞典」だけじゃ越えられない壁、って、このことだったの?。。。
ひっ、とうとう動き出した。。やだわ、この乾いたカタン、カタン、って音、ますます不安をそそってくれるじゃない。。エーン、どうしよう。。あたし、
高いところは、得意じゃないんだってば。。。

カタン、カタン、カタン、。。。。
その「絶叫マシン・フリークには見逃せない」最新式ジェット・コースターは、天に向かってそそり立つアプローチを、ゆっくりとのぼりはじめた。。。


◆コチサの寸評

前回作品よりマイナス2ポイント!
でも「グッド、ぐっど!」さんは3回連続登場。支店長の記録に並びました。(ちなみに酒で体を壊した支店長の復活の日は遠い・・・)
個人的に「グッド、ぐっど!」さんの作品はコチサ好きなんです。この路線で育成作品まで登りつめてくれれば「新風」だと思ってたんだけど・・・どうやら「グッド、ぐっど!」さんも育成作品よりこちらのコーナーに登場する破天荒さに惹かれてしまったようです。
相変わらず「ネタふり」と「カセ」のかけ方が見事でした。


[第6章次点作(その2)]
(東大阪のてっちゃんの作品です)

とあるアナウンスの専門学校にて・・
 ますださん、ますださん、きょうはどこに遊びにいく?
  ん〜、・・・どこでもいいけど・・・
  最後は、サーティンワンね。

学校でのお昼休みは、いつもこうである。
 きのうの所へ又いく?
  え〜〜、いいけど・・・・・・・
(ディスコである)
  いい男いないし〜
(ほんとは、男は関係ない)
  食べ物もよくないし〜
(あまりたべない)

実は、うまく踊れないのである。
  ゴメン今日はまっすぐ帰るよ。
 そう?じゃ今度ちがう所さがそうね。
(めいわくである)

それより、同期のゆみちゃんの事が気になるのである。
  最近ゆみちゃんったら、全然夜遊びしないんだよ
 ふぅ〜ん。家で一生懸命発声練習してるのかな
  訛り、まだのこってるしね。
 あんたもだよ。
  #心の中(げっ、やっぱり)
(さちこ本人もすこし変だなと薄々かんじていたのである)

  さっ、かえっちゃおぅ〜っと
 じゃ〜ね〜、バイバイ。

  あ〜あ、やっぱりもっと勉強しなくっちゃアクセントがな〜
  あかんわ〜
  さぁ、アイスクリームを買って帰ろう。
  あれっ?
  ゆみちゃんだ(どこにいくんだろう?)

しばらく後を付けてみると、ネオン街にでた。
しかし、表通りではない裏道を小走りで走って行く。
  どこに行くのだろう?
  えっ?

さちこは目をうたがった。
  まっ、まさか・・・

恐る恐るさちこは、ゆみが入って行った店の看板を確認した。
女の子が、お客で入る様な店ではなかった。
さちこはどうしてよいのかわからなかった。
暫く立っていると男が、
 おねえさんもお金がほしいのかい?
 簡単な仕事だよ。

さちこは、走ってその場をたちさったのである。
  どうして?なんでやの?ゆみちゃん・・・・・

次の日、学校で問いつめようとゆみをさがしたが見つからなかった。
次の日も、又次の日も。
  ゆみちゃんが、どうしてなんだろう。

結局あの日いらい誰もゆみを見た者はいないのである。
ゆみの事は気にはなるが、問いつめてもどうしようもないのである。
どうも出来ないのである。
東京が、こんな街だから・・・・・


◆コチサの寸評

東京はこんな街ではな〜い。
てっちゃん久しぶりです。毎回応募してくれてありがとうございます。
毎回文体が変わる作品姿勢を紹介出来ないのが残念ですが、今回は「グッド、ぐっど!」さん路線での登場です。
なんか、コギャル時代の女の子のスタンスってこんな感じなんだろうなと妙に現代にリアリティのある作品です。
短編なんだけど、「適当に頑張り」、「適当に友情を持ち」、でも逆らえない「大きな社会に順応」しちゃってる今の世代をそのサイクルの早さの中で見せてくれました
って、なんかこの寸評、コチサ「ばばぁ」みたい・・・・・・・


[第6章次点作(その3)]
(PEACEさんの作品です)

コチサからのお知らせ・・・第2回「育成作品」のPEACEさんの作品です・・・・が・・・・実はこの作品、400字詰原稿用紙80枚以上、ペラ160枚という大作です。ということで、独立した枠を設けて掲載してあります。今回、その他の優秀作品の掲載数が少なかったのはこの大作の影響か・・・