「コチシム」第4章次点作品

第4章のナイスな「コチシム」作品群

「コチシムはみんなが文学作品か?」
という質問に答えて、
今回は内部を混乱させる作品もあることを
あえて紹介。


[第4章次点作(その1)]
(幕の内筆頭まで来た、おまちかね支店長さんの作品です)

 コチサは、あの「苦い初恋事件」で心に深い傷を負ったが持ち前の明るさと負けん気でふたたび元気を取り戻した。
 例の阿部君は隣町の私立高校へ入学し、県立高校へ進んだコチサはもうアイツの顔を見ることもなくセイセイとした日々を送っていた。
 だから毎日「資生堂モーニングフレッシュ」で朝シャンをしてさわやかコチサは10歳下の妹を小学校まで送りながら通学している。 高校で放送部に入ったのは、いつか自分も昼休みにDJをやりたいと思ったから。チャイム係などの下働きをして1年生時代が終わり、いよいよDJがやれる2年生の1学期に、なんと、ライバルアッコちゃんが途中入部してきた。それも、新しい番組の企画書とともにDJとして・・・。
(途中から入ってきて、下積みもしてないのにいきなりDJなんて、そりゃないよ!いくら生徒会の実力者だからって、あんまりだわ)
というコチサの考えはごもっともだが、当時アッコちゃんは女帝と呼ばれており誰も逆らうものなどいなかったのである。
 というわけで、コチサ対アッコちゃんのDJ対決の幕は、とっとと切って落とされた。

 さて、アッコちゃんの考えた企画とは「恋愛講座」。全校生徒から匿名にて恋の悩みを募集し、それに対して彼女が答えるといった内容である。
 恋愛の橋渡し役も兼ねていたためアッコちゃん受け持ちの金曜日には全校生徒が放送に耳を傾け、静かに昼休みが過ぎて行く。
 それで、誰が名付けたのかサイレントフライデーといわれた。
 一方コチサはというと、木曜日の「ため池アワー」担当を先輩から押しつけられ、
「世の中不公平だ!」
と怒りながらも郷土の話題を取り上げる退屈な放送を行っていた。

 ところがある日、そんなコチサに1通の手紙が舞い込んだのである。
 聞いてる人などいないと思っていた自分の放送にも、ファンがいたのがうれしかった。

  「・・コチサさんの放送でぜひ取り上げて欲しいことがあります。それは環境破壊の問題です。おさまったかに見えたゴルフ場開発が瀬戸大橋の開通を控えて再びこの町で行われようとしています。ぼくの父は反対していますが、町中がレジャー開発に町おこしの期待をかけているようで、孤立無縁の状態です。ゴルフ場ができると農薬汚染や環境破壊で、ぼくの好きなこの町から自然がなくなってしまいます。自然を助けてください・・。」

 「くそー!阿部んちだなあ。うちのおとうさんが反対したんで場所替えやがったか。今度こそ、たたっ切ってやる!」
 手紙を読んでコチサは義憤と私憤に駆られ取材を開始した。
 すでに地権者の大多数が大規模な接待攻勢・贈り物攻撃を受けていた。
 発売されたばかりの自動パン焼き器が各地権者の家に届けられ、お酒などの貢ぎ物が山のようになっているではないか。
 ・・大変なことになる。純粋な農家の人をお金で釣ってそのうえ自然まで台無しにしちゃうなんて、許せない!
 もう一度自分たちのまわりの自然を見直すキャンペーンを張ろう!

 というわけで翌日からコチサの「ため池アワー」はリニューアル。
 環境問題を全面に押し立て、”ふるさとについて考え直そう”をテーマに放送した。毎回必ず、昔をよく知るおばあちゃんとのインタビューを行い、野や山で遊んだなつかしい話を挿入した。そして「うさぎおいしかのやま〜」の歌をエンディングに使った。
 放送中、なぜか感極まって泣き声になってしまうこともしばしばであった。 おかげで、「なんだか、泣くDJがいる」ってことで有名になりおもしろ半分でコチサの放送を聞く生徒が増えてきた。
 コチサが泣くと、待ってましたとばかりに全校で拍手がまきおこる。
 だが、コチサはそれが感動の拍手ではないことが、くやしかった。
 アッコちゃんの冷たい視線も気にかかる。
 メッセージが伝わらないことで、投げ出しそうになったとき、あの匿名さんから再び手紙が届いた。
「いつかみんなきっとわかってくれる。僕はずーっと応援してる。負けるな!」そう書いてあった。
「そうだ、継続こそ力なりって誰か偉いひとが言ってた。がんばろう!」
 笑いものになってるコチサがかわいそうだと、放送打ち切りをほのめかす顧問の先生に「あと3回やらせてください」と頼み込み、その3回目、いつもの放送をしてから「ため池アワー」の終了を告げたあとのことだ。
「どうしてやめるんだ、ひきょうもの!」
「自然を守るんじゃなかったのか!」
の声がする。

 ふと、校庭を見ると・・・
 数十人の生徒が放送室のコチサを見上げ「コチサ、コチサ」の大合唱をしている。
 まじめに受けとめていてくれた人たちのコチサ・コールだった。それを見てコチサは胸がいっぱいになった・・・。

 それからのことは当時の顧問の先生に聞いてみよう。
「驚きましたよ、正直、あんなに反響があったなんて。よく、若い者はどうのこうのといいますが、人間のおおもとの心は今も昔も変わらないんだ、ということを彼女に教えられました。ため池アワーはその後有線でこの地区全戸に同時放送されましたがその反響がまたすごくて、今度は地元のラジオ局が取材に来たんですよ。その時は私もインタビューされるってんで背広を新調しちゃいました。ラジオで放送されてから1週間も経たないうちだったかなあ。地権者からいままでもらった品物が続々とゴルフ会社の玄関に返されましたっけ。中には外車や水着姿の娘さんまでいたという噂ですが、誰が乗っていたのか」(コチサ註:ここ最高!)

 結局ゴルフ場の計画は頓挫した。阿部一族はほうほうの体で大阪に逃げ帰りコチサのふるさとは自然破壊から免れたのだった。

 サイレントフライデーのマドンナ、アッコちゃんは、
 「コチサ、負けたよ今回は。あんたはよくやった」
 と、手を差し出し、そして二人は握手をしたのであるが、アッコちゃんがコチサに対して、以前よりも強烈なライバル心を抱いたことは想像に難くない。

 さて、コチサはその後ずーっと匿名の手紙の主を探していた。
 勇気を与えてくれたあの人に会いたかったが、彼は名乗り出ることなく手紙も二度と届くことはなかったからである。

 華々しい地元デビューを果たしたコチサはその後少し勉強して現役で地元の大学に入学。
 しかし、あの事件であまりにも有名になりすぎた彼女は、どこへ行っても注目の的となり、かえって息苦しい毎日だった。
 コチサ地蔵の設置話・名誉町民・おとうさんが町会議員に担ぎ出されそうになる、などコチサのまわりはお祭り騒ぎで、本人の意思などお構いなしだ。
 「なにかちがう。私のやりたいこととはちがーう・・・」
 コチサの田舎では、女の子は大学を出たら先生か銀行員になって数年後結婚というパターンが一般的だ。
 「このママいったら・・・ママになる。そんなのいやだ!」

 テレビでは美里美寿々さんや井田由美さん、小宮悦子さんらが活躍している。
 「東京か・・・東京で私の声を生かした仕事したいな・・・」
 テレビでしか知らない東京である。砂漠のような東京である。
 コチサも不安である。
 神父さんに相談すると
 「自分を愛するように人を愛するのですよ、アーメン」
 と、元気づけてくれた。
 東京行きについては、そりゃあもう家族中が猛反対であった。
 女一人が大学中退してまで行く必要があるのかと・・・。
 が、親族会議の席上、強引に顔を出した小学校時代の恩師山田先生は、「この子の才能をこんな田舎に埋もれさせてはいけません。このままではかえってかわいそうです。やがて世界がこの子を必要とする時がきっと来ます。お願い、益田さん、この子を東京へ行かせてやって・・・ゴホン、ゴホン、ウーー、グエッ」

 山田先生の、まさしく捨て身の説得によりコチサはようやくおとうさんの許可を得たのだった。
 そして、その年の4月、桜の花の咲く頃。
 コチサが故郷を離れ東京へと旅立つときは町中の人間が集まったような賑わいだった。
「がんばれーコチサ。がんばるんだぞ!」
ワイワイガヤガヤのコチサ見送りの団体。そして、よく見ると、その少し外側には肩を組んだ父と子がいた。

 コチサの胸に突然、雷鳴がとどろいた。
 ・・・そうかあの人だったのか。あの人が私を励ましてくれていたんだ!
 がっちりとした体つきでよく陽に焼け、健康そうな父と子だった。
「ありがとう、匿名さん。ほんとにありがとう。あなたが私に勇気を教えてくれたのね」
 その父子はコチサになにかを言っていたが周りの人の声で全然聞き取れない。
 でも、コチサにはわかった。あのひとがなんて言ってるか・・
 「東京へ行っても負けるなよ!」
 そうだ!継続こそ力だ。なにがあっても負けないぞ!

 パワー全開のコチサは、いま、東京へ向けて旅立った。日本はこのころから景気がどんどん悪くなって行くが若く、野望に満ちたコチサには全然関係なかった・・。


◆コチサの寸評

さすが、支店長!、唸らせてくれました。
多分、皆さんも気になってると思うけど、「最後の親子は誰?」・・・支店長さんに問い合わせたところ「意味はない、深読みはするな」ということでした。
支店長さんの夢は「一回だけでも育成作品をとって、回転寿司で絵皿の寿司を食べまくる」ことだそうです。
意地悪コチサは思いっきり引っ張ろうと思ったけど、この勢いは誰にも止められないかもしれない・・・・・
実は支店長さんは「四国の歩み」「香川県の歴史」等の資料を買い込まれ、綿密なデータに基づくストーリーを展開されているので、時代背景や風俗に勇み足が無いのが作品の安定感を支えています。
ということで、近く登場予定の「コチシム審議会」(メンバーは過去の育成作品作成者で構成)の委員長を勝手に任命します。


[第4章次点作(その2)]
(角兵衛獅子のあきひこさんの作品です)

ゴルフ場の建設に最後まで反対したのはコチサの家だけであった。
終いには、
「あの偏屈のおかげで町の発展が遅れちまう。」
とまで、陰口をたたかれた。
近所の人たちまでよそよそしくなってきた。
結局、父親は判を押した。
「このまんまじゃおめえ、この町に住めなくなっちまう。」
そういう背中は寂しそうであった。
コチサも悲しかった。
なにもできない自分が情けないとさえ思った。
また、少し心の傷が疼いた。

元来、コチサは明るい性格である。
子供の頃からこましゃくれており、回りの大人からへりくつコチサと呼ばれるように難しいことを言っては大人を煙に巻いて喜んでいた。
小学生のときには、既に人前で話をすることに楽しさを感じていたのである。

そのコチサも、もう高校生である。
クラブ活動の一貫で昼休みにDJをやることになった。
「コチサのランチ・タイム・ジャック!」
「みなさんこんにちは、・・・高校のマシンガンDJコチサこと益田沙稚子です。」
「今日は、ほんとにいい天気。こんな日にはみんな早弁しちゃってもうお昼寝してるんじゃないかな?」
「そんな不心得ものの目覚まし代わりに派手なのを1曲いってみよう!」
・・・
これが、結構な人気となった。

男子生徒はおろか、大学でたての若い教師までがファンレターまがいを送ってくる始末である。
手紙の中身は、たいがい取ってつけたようなほめ言葉である。
他愛もない内容で、ませたコチサにとっては物足りないが文面からは好意が伝わってくる。
読むと、ほんの少しではあるが心の傷が薄らぐような気がした。
夢が広がって行くのが感じられた。
少しづつだが、コチサはもっともっと広い世界で活躍してみたいと思うようになっていた。


ある夏の終わり、いつものように放送していたコチサの前を黒雲がよぎったような気がした。
「いやな天気ですよね。こんなときって大きな嵐が来たりするんですよね。」
「今日は、寄り道何かしないで早く帰りましょうね。・・・」

その夜、本当に嵐が来た。大きな嵐である。
人命にかかわることこそなかったが、香川県内全体に被害が及んだ。
コチサが言ったとおりとなった。
この話が一気に広まってしまった。
「あの子は、昔からなんか違っていたよ。」
「きっと、誰かのお使いなんだよ。」
子供の時分よりコチサを知っている人の中にはこの話を利用して一旗揚げることをもくろむ輩も出てきた。
元々コチサは、ミスなんとかと呼ばれるくらいの美貌の持ち主である。(コチサ註(^_^;))
これを利用して金比羅さんの巫女としてかつぎ上げようというのである。
「ったくもってあいつら本気で考えているから始末におえねえ。」
「このまんまじゃ、沙稚子はほんとに巫女にされちまう。」
「なあ、いっそのこと引越ちまおうか。高松みたいな都会だったらそんなことも出来やすまい。」
珍しく晩酌をしていた父親が、酔った勢いか冗談みたいな口調で言った。
コチサは思った。
チャンスだ!
「あたし、東京に行く!」
「東京に行って、松田聖子ちゃんみたいになる!」
父親は、鼻からビールを吹き出した。
母親は、飯碗に顔をつっこみ、幼い弟と妹は椅子から転げ落ちた。


数カ月後、コチサの姿は東京にあった。


◆コチサの寸評

流れに乗ってますね
やたら文体の長い、句読点の付け方の下手なコチサの文章から見たら、「鈍行各駅停車とMAXの違い」だわ。
角兵衛さんは、これまでの「コチシム」の整合性に一言あって、あえて途中で物語を切ってしまわれたようです。
「コチシム」の不整合性については、おいおい「コチサ審議会」で取り繕っていきましょう(その時は角兵衛さんも抱き込んじゃぇ。)
今回は話の方向性が皆さん似たような展開が多かった(というより、コチサの課題が無理矢理方向性を決めてたという説も・・・何か言葉は柔らかだけど圧力的な「行政指導」みたいだ)ので、文章の表現力というものをテーマに選出させていただきました。
割と簡潔に話が進み、頭に入ってきやすい、こういう文章って、実は筆力が必要なんだよね
田舎の山奥に住んでいると、「高松」が妙に都会と感じられる田舎イズムがそこはかと的確に散りばめられて、妙に背中が痒かったコチサでした。


[第4章次点作(その3)]
(香川県○○郡○○町、正義の仮面さんの作品(?)です)

お久しぶり、コチサさん。
○○○○です。(コチサ註:えっ?)
イヤーいい度胸してますね、本名で(それもニックネームまで変えずに)インターネット登場とは。
私達の故郷、香川県○○郡○○町(コチサ註:きゃぁー)には、インターネットなんてものは永久に普及しないとでも思ってるのじゃありませんか?
そう、僕は○○小学校、○○中学校と同期の○○○○です。(コチサ註:きゃぁー、きゃぁー)
ということは、僕も今、コチサさんと同じ25才になるんですね。(コチサ註:きゃぁー、きゃぁー、きゃぁー)
では、今回の課題の第4章を始めるよ。妙にリアリティーがあったらごめんよ。あくまでも架空の物語だから・・・・
(コチサ註:きゃぁー、きゃぁー、きゃぁー、きゃぁー)
・・・・・・・・・・・


◆コチサの寸評

きゃぁー
皆んな、脅迫状よ、脅迫状・・・・
これって、コチサの足を引っ張ろうというねつ造よ・・・・・・・

−暫し狂乱−

コチサ、正義の仮面こと○○○○さんなんて知らないもん
今、卒業アルバムチェックしたもん
・・・・・・・・・


[第4章次点作(その4)]
(「グッド、ぐっど!」さんの作品です)

もう明日はこの町から出て行くんだわ、って思うと、どうしてあの人の顔が浮かんでくるのかしら。ごめんなさいね、もう何もしてあげられないの、さようなら。

.....
ミューを拾ったのは、午後の授業をさぼった日。大好きな高校の裏山のあの場所で、5月の風に吹かれながら海を眺めているつもりだったのに、まさか捨て猫に遭遇するとはね。みゅー、ってしか鳴かなかったから、名前はミューよ、ちゃんと自分の名前が言えるように。

だいたいあの日は、北村先生にあんなこと言われてショックだったのよ。先生が好きだって言ってた中島敦だって読みまくったし。学生時代は哲学にハマった、なんてセリフを聞かされれば図書館のコーナー一人占めにしてたのに(ほかに哲学書読む高校生なんていないよね、今どき)。

そのあこがれの先生に、お昼のリクエスト・アワーだけど、益田が担当してる水曜のクラシックはいまいち盛りあがりに欠けるなあ、パターン変えてみるか?なんてね。そりゃあ、軽音の日みたいにリクエストも多くないし、サ。でも、あたしとしては、その分選曲のセンスで勝負してたつもりだったの。まあ、モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲」とか、あたし好みの曲が多かった、っていうのはあるかも。でも、パターンなんて変えようがないでしょ?クラシックなんだから。作曲者のおいたちとかエピソードくらいしか。それだけ調べるんだって、結構手間だったのにィ。

だから、ぜんぜん授業なんて気分じゃなかったの。そしたら、ミューをみつけたのよ。抱いてあげたらみゅー、っていった。あたしがにゃあ、っていったら、またみゅー、って。にゃあ、みゅう、みゃあ、みゅう、にゃあ、みゅう、みゅう。。。。

次の週の水曜リクエスト・アワーの時間になったとき、突然全校にあたしとミューの会話が流れ始めた。みゃあおおぅ、みゅう、みゅう、みゅう、。。。
それから、今日はミューちゃんのリクエストです、とかいって、曲をかけたの。もう、大騒ぎよ、みんな。職員室はもっと大変だったみたい。北村先生がなんとか、とりなしてくれたらしいけど。先生は視聴覚室にとんできて、苦笑いしながら、とにかく猫だけは外に出しなさい、って。

それからは、毎週リクエストの山。ニワトリやって、とか、カエル、とか。アイーダの行進曲でゾウさんお願いします、なんていうのまで。やったわよ、なりふりかまわず、曲目解説の合間に鳴きマネを。。。江戸家猫沙稚、よ、もォ!

北村先生が顧問をやってた人形劇クラブのボランティア公演を手伝いはじめたのも、それからだわ。劇のナレーションやったり、出し物の合間には、また鳴きマネなんかやって。たまたま老人ホームに取材にきていたローカルTV局がニュース番組で紹介してくれちゃったりしたもんだから、「江戸家猫沙稚」はこの町ではたちまちちょっとした有名人。いやー、モテちゃってモテちゃって。老人ホームのアイドルよん。

え?北村先生?あきらめましたわよ、奥さんスッゴイ美人だったんだもん。彼女、先生がうちの高校来る前に教えてた学校の教え子だったんだって。早いもの勝ち、って、絶対真理だわ。

ボランティアは嫌いじゃなかった。おじいさんとかおばあさんとか、けっこう熱心に見てくれるし。公演のあとで、お話を聞いてあげると、すっごく喜んでくれるし。話してるあいだは、手とか握ってあげると、もっとうれしそうにするの。ただちょっと話が聞き取りにくかったりすることもあるけど。え?聞き取れないよ、おじいちゃん、今なんて言ったの?。。。きゃっ!

このォ!いきなりキスなんかすんじゃねェよ、いい年コイて、もォ!

.....
そんな町とも、もうすぐお別れね。やっぱり、猫沙稚では終わりたくないの。一度はチャレンジしてみたい夢があるから、どうしても。。。

って、人が感傷的になってる時に、どうしてあの河原田吾作89才の顔が浮かんでくるのよ、もォ!。。。まあ、いっか。

(作者註:キス・シーンは出所不明のギャグより引用しました)


◆コチサの寸評

まあ、いっかっていわれても・・・・・
「コチシム」に新しい風って感じです。もう課題なんか無視、ひたすら染まりたい色に任せて書いている・・・でも一歩間違えばエッチな週刊誌の「OLの隠された手記」って感じになりかねないわ。
「コチサさん、もう私の時代は終わりました。これからは若い人たちの才能を育ててください。私は筆を折ります」っていう支店長さんの声が聞こえてきそうだわ。
みゅう、みゅう、みゅう・・・・・・・