307ch
FILE22-ついに脅迫が
21/30days
コチサのペッパーフレンズ●益田沙稚子 

遠くを見つめる猫目のコチサ


やっぱりね。こんな事を大々的にやっていれば予想はしてたけど。コチシムに対する同級生を名乗るメールが届きました。
「××先生も、さっちゃんが有名になって喜んでいます。コチシムってどれだけ現実に近づいていればいいの?僕も参加したいな?さっちゃんが振った男の話とか」これって脅迫?コチサが振った男?きっと振られた腹いせね、執念深い奴!でもこの文章だけでもかなり足跡は残したわね。
卒業アルバムを手に早速探偵コチサに変身。同郷の友達に電話をして、同級生の近況を探るなど抜かりのないコチサの調査は効を奏し敵は絞られました。
動揺させて白状させるのは不意打ちが一番。直接の電話攻撃です。「×君、メールありがとうコチサです。名前を書かなくてもコチサは特権で発信者が解るんだよ。逃げてもだめ!何が言いたいの?コチサお金は無いよ。振った男って何よ?」一気にまくしたてました。
毎度の勇み足でした。そして新たな大ニュースが、中学時代にコチサがムゲにした男の子が実は今をときめく某スポーツ選手と判明。×君は、面白いからそのネタをコチシムに載せたらと提案しようとしたとの事。そういえば名前にかすかな心当たりが。そして卒業写真にも確かにいる。
有名になって脅迫されるのはコチサじゃ無かった。逆にコチシムに載せたらコチサが脅迫者になってしまうほどランクが違うじゃない。
だんだん鮮明に思い出してきた。牛小屋でバラの花を持って「付き合って」って言われたんだ。でも先見の明の無いコチサは、その気障なバラの花が嫌だったんだ。そして逃した魚は鯨より大きかった。
きっとコチサは、山奥から出てきたのは自分だけだと天狗になっていたんだ。この慢心は今度は次のステップで今の現状を見下す慢心さに繋がるんだ。だからこれは脅迫では無く、コチサの心の隙をついた故郷の戒めなんだ。
海よりも深く反省!


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