307ch
FILE10-息切れ、のび太
9/30days
コチサのペッパーフレンズ●益田沙稚子 


コチサがCMナレーションをしたりするので、芸能界の人と勘違いする人がいます。芸能の仕事をしていてもキョンキョンが富士山の頂とすれば、コチサは雪解け水に運ばれて大井川に沈んだ鳥の糞のようなものです。だからコチサからメールの返事が来ることは通信販売に申し込んで商品が届くこと以上に普通のことなのです。
でも、のび太は違った。
「本当に返事が来るんですね、アイドルの方から返事が貰えるなんて一生家宝にします」そしてお決まりの質問責め。コチサがメールには返事を書くこと、長い人とは一年以上も続いている事を聞くと、彼の目標は決まりました。
「僕はこれからメール交換回数トップを目指します、毎日メールを書きます」そして彼の自分に課した試練が始まりました。一月、二月、すごいパワーです。勿論コチサも数回に一回は返事は書きます。「もう一番になったかな」「まだでしょう、一年以上のハンデがあるんだから」「頑張ります」「ねぇ普通にしようよ」「いや、決めたことだから」
この入れ込みはどういう副作用を起こすのだろう?のび太の場合は「疑似恋愛症候群」でした。のび太は他のコチサのお友達同様、生真面目な人でした。何か大きな責任を抱え、苦悩する日々が始まってしまいました。コチサ、何にもしてないのに・・・・・
メールが100通を超えた頃「コチサさん、告白しなくてはなりません。僕には妻と子供がいます。隠していてごめんなさい。妻とは大切な日々があります。(中略)僕の事は忘れて下さい」おいおい、何だよこれは。勝手にメール書いておいて、別に結婚してるのどうのって、コチサといつ恋愛が始まったんだよ。
それに何より最高に情けないのは、なんかコチサがふられたみたいなメールじゃない。おいのび太!君の思いこみで、次はキョンキョンをふってやってください。


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ネックレスに祈りを込めるコチサ