307ch
FILE3-高専大パニック
2/30days
コチサのペッパーフレンズ●益田沙稚子 

秋の風景に鼻をすするコチサ


「こんにちわ、僕、佐藤です。きれいなお姉さんですね。」来た、来た、ちょっと怪しいメールが。でもよっぽど変なメールでは無い限り必ず返事を書くコチサ。例によって「メールありがとうございます〜」とすぐに返事を出しました。
そして次の日、なんか変なメールが数十通、そして続々増え続けていきます。
「こんにちわ、児島です。佐藤君の友達です」「河村です。佐藤君から聞きました」いったい何が起こったの?
「佐藤君が壊れました、返事をもらってパニック状態です、隣の席の関川です」だんだん読めて来たぞ。
先ずこれらのメールは全て「××高等専門学校」が発信人になっています。そして「佐藤」のキーワード。生徒一人一人がメールアドレスを持つ学校もあるといいます。専門分野に特化した高専ではその着手も早かったのでしょう。ホームページを覗き、いたずら半分でメールを出してみた、先生に内緒だから勇気がいるよね。それが佐藤君。そしたら嘘みたいに返事が来た、後の流れはもう手に取るようにわかります。
さぁ問題はこの後です。コチサの出方によっては、この学校の全ての生徒を相手にする事になるかも。
「佐藤君、ビックニュースです。佐藤君をコチサ組××高専支部長に任命します。今後支部内での通信業務は全て支部長が一本化して管理して下さい。任期は一年、頑張ってちょ」佐藤君が頭の切れる子で助かりました。事は佐藤君の知らないところで進んでいたようです。「迷惑をかけてすいません。もうメールは届かないと思います」3日後そんなメールで事態は急速に終焉を迎えました。
そして半年、「覚えてますか?××高専支部長の佐藤です。任務を全うして参りましたが今度卒業します。就職先が決まりましたら連絡します」
訳もなく嬉しかったり、涙が出そうになったりする気分ってあります。このメールがそうでした。
「佐藤君、君の人生にコチサを!」


<BACK  NEXT>