No.585 「母の日」 2006.5.9
 母の日

 コチサ
 「もしもし?」

 お母さん
 「サチコ?・・・お母さんやけどな・・・」

 コチサ
 「やぁ、お母さん、久しぶり(^o^)、元気?」

 お母さん
 「何もいらんで!」

 コチサ
 「ん?」

 お母さん
 「何もいらんから、贈ったらあかんよ、じゃぁね(ツー、ツー)」

 コチサ
 「・・・」

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 もうすぐ母の日だ^-^;

 そっか・・・

 もうすぐ母の日だ^-^;

 毎年かかってくるこの時期の電話・・・

 一見、催促の電話のように聞こえますが、実はこの電話は文字通りの意味の電話なのです。

 「もうすぐ母の日や」
   ↓
 「サチコはまた、プレゼントを贈ってくるんやろな」
   ↓
 「お金が無いくせにどうするんやろ」
   ↓
 「はっ!・・・もしかして借金でもするのかも」
   ↓
 「そして借りたお金は雪だるま式に膨らんで・・・」
   ↓
 「東京におられんようになって、
  実家にも帰れんようになって・・・」
   ↓
 「最後は行く末を悲観して・・・」
   ↓
 「あかん、絶対にあかん、
  あの子にプレゼントを買わしたらあかん・・・」

 というような発想が・・・毎年この時期になるとお母さんの頭に浮かぶようです^-^;

 ・・・そして冒頭の電話のようになるわけです┓(´_`)┏

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 コチサ
 「なんでこう悪い方向にしか考えないんだろね」

 お父さん
 「そりゃ、それだけ信用が無いってことだろ」

 コチサ
 「お言葉返すようで悪いんだけどね、じゃぁコチサが今までにお父さんやお母さんに、お金のことで迷惑をかけたことある?」

 お父さん
 「・・・」

 コチサ
 「そりゃぁ生活の苦しい時はあったよ、現に今だって楽じゃない・・・でも、それでお父さんやお母さんにお金の無心したことがあった?」

 お父さん
 「・・・」

 コチサ
 「えぇ確かに、生活の糧となるお米は送ってもらってますよ、それもタダで・・・でもそれ以上に心配をかけたりご迷惑をかけたことがありましたか(`_')」

 お父さん
 「ええのか?」

 コチサ
 「ん?」

 お父さん
 「なんか熱く偉そうに語ってるようやけど、じゃぁ本当の事を言ってもええんか?」

 コチサ
 「ちょ、ちょっとお父さん・・・な、何を言ってらっしゃるんですかく(^.^)ノ・・・ま、ここはひとつ、人様の目もあることですし・・・」

 お父さん
 「皆さん、こいつは、親に金の無心をしたことが無いなどと偉そうにぬかしておりますが、思い返せば平成12年・・・」

 コチサ
 「お、お父さま・・・お父さまも、もういいお歳を召してらっしゃるのだから、ここらで娘をたてるということも覚えたほうがいいかと・・・^-^;」

 お父さん
 「何を言っとる(`_')・・・思い起こせば平成12年の4月のある夜、こいつは泣きながら電話してきて・・・」

 コチサ
 「(ガチャン・・・ツーツー)」

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 全くぅ・・・

 全くぅ・・・

 そりゃぁコチサも全く白かといえば、多少はグレーの部分だってあるさ^-^;

 かつては、親に助けてもらったこともある・・・と思う・・・

 でもその何倍も、いやその何十倍も、コチサは既にお返しをしてきていて・・・

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 お父さん
 「まだ嘘八百を並べ立てるか、こいつは(`_´メ)」

 コチサ
 「なんで電話切ってるのに出てくるんじゃい(`_´メ)」

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 話は戻りますが・・・

 で、話は戻りますが、毎年この時期の母親からの同じ内容の電話・・・

 若い頃は、

 「せっかくプレゼントを贈ろうという子どもの気持ちを踏みにじって、親として反省して欲しいよ(`_')」

 と腹をたてたり、

 生活が苦しい時には、

 「じゃぁせっかくだからちゃっかり尻馬に乗って、何も贈らないで済まそう(^o^)」

 と、言われるままに何も贈らないで済ます年もありました。

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 でもここ10年ほどは・・・

 でもここ10年ほどは、なんだかんだ言っても、その年の懐具合にあわせた何かを贈るようになりました。

 しかしせっかく贈っても、お母さんからの返事の電話は、

 「こんな高そうなものを贈って、生活は大丈夫なん?」

 からはじまって、

 「悪いお金やないんやろうな」

 とか、

 「借金をしたんやないんか?」

 ときて、最後の最後で、やっと

 「ありがとう」

 となります。

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 母親というのは・・・

 母親というのは、いつも自分が喜ぶことは一番後回しにするようです。

 心配をして、また心配をして、そしてもう一回心配をして・・・でもそれでも安心は出来ずにまた心配をして・・・そうやって子どもを育てていくもののようです・・・

 心配をしても、気持ちが不安に揺れるだけで良いことなんかは何もないのに・・・

 母親が最後の最後で口にする「ありがとう」は、プレゼントを贈ってもらったことへの「ありがとう」じゃなくて、心配事がひとつひとつ否定されてほっとして出る「ありがとう」なのかも知れないと思いました。

 でも・・・

 コチサは、お母さんの「ありがとう」が大好きで、今年もまた母の日のプレゼントを贈る手配を完了しました\(^o^)/

 生活も大丈夫だし、悪いお金でもなく、借金をしたものでもないお金で・・・(^o^)

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 ちなみに・・・

 ちなみに、コチサは父の日は何も贈りません。

 母の日にプレゼントを贈り続けることを決めたように、父の日にプレゼントを贈らない事を自分で自分に決めたからです^-^;

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 お父さん
 「お前は、最後の最後までわしを笑いものにしくさってぇ(`_')」

 コチサ
 「(-.-)y-゜゜゜」

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