No.543 「避難勧告」 2005.9.5
 こんなシリアスな状況が待っていようとは・・・

 仕事もなく、ただただダラ〜ンと過ごしていた日曜日。

 最後の最後でこんなシリアスな状況が待っていようとは・・・^-^;

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 コチサ
 「あぁ今日も何事もなく休日が終わったかぁ・・・平穏無事もいいけど、あまりにも平穏過ぎるのも刺激が無さ過ぎるぜ^-^;」

 ・・・この贅沢な一言が神の逆鱗に触れてしまったのか・・・

 コチサ
 「雨、うるさいなぁ・・・テレビの声が聞こえないじゃん(`_')」

 怠け者のコチサは、足でリモコンを扱います。

 (手は頭の上で組んで枕にしてるので動かしたくないんだ^-^;)

 最近は足の指も器用になったもんで、チャンネルの切り替えどころか、微妙な音声の増減にも対応出来るようになりました^-^;

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 雨音はどんどん激しくなるし・・・

 しかし雨音はどんどん激しくなるし・・・

 コチサも負けずとテレビの音声を上げて・・・

 でも・・・

 何か変だ?

 外から雨音以外の音がする・・・

 異変に気づいたコチサは、テレビの音声を切り、耳を済ませました。

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 マイクを通した大きな声
 「神田川が溢れそうです。川の近くにお住いの方は避難をして下さい」

 えぇぇぇぇ!!!!

 昨夜(2005/9/4)首都圏を襲った大雨の被害・・・

 (テレビでも救出シーンをやっていました)・・・

 まさかその真っ只中に放り込まれていたとは・・・

 慌てて窓から外の様子を覗きます。

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 コチサ
 「うわー、すごい水」

 再び大きなアナウンスが流れます。

 「神田川が溢れそうです。
  川の近くにお住いの方は避難をして下さい


 コチサ
 「ここってやっぱり神田川のお近くだよね・・・じゃぁ非難しなくちゃいけないのかな」

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 不思議なものです

 不思議なものです。

 普段は「大変だねぇ〜」などとテレビを通して見ていた光景が、いざ我が身となるとパニックに陥ります。

 気がつくとコチサは何故か、シャワーを浴びていました^-^;

 次に気がついた時は、ドライヤーで髪をセットしていました^-^;

 そして次はお化粧・・・^-^;

 普段は、司会のステージに立つとき以外、お化粧などしたことが無いのに・・・

 すっかり固まってしまっている化粧粉を叩き割っている自分がいました^-^;

 窓の外からは、ざわざわと人々の声が聞こえはじめました。

 きっと近隣住民の避難が始まったのでしょう・・・

 その時、コチサはまだ洋服を選んでいました^-^;

 切羽詰った時に人間は潜在意識が働くといいます。

 コチサはなぜ真っ先に身づくろいをしてしまったのでしょう・・・

 きっとこれまで何度もテレビで避難光景を見ながら、口では「大変だなぁ、可哀相だなぁ」と言っていながら、潜在意識では寝巻き姿やジャージ姿で出てくる「着の身着のまま」の姿の方に強い印象を持っていたようです。

 きっとコチサの潜在意識は、
 「もしかしたらテレビが入るかもしれない・・・今後人生の中でテレビのスポットライトを浴びる事は多分ないだろ・・・せめてキレイに映りたい」

 などと考えたようです^-^;

 なんと自意識過剰な潜在意識でしょう・・・

 顕在意識のコチサとしては縁を切りたい潜在意識です^-^;

 こうしてようやく身づくろいが終わると、潜在意識はどこかに消えてしまったようです。

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 コチサ
 「避難所生活に向けて、生活用品を詰め込まなくちゃ!」

 ようやく人並みの危機管理に走る余裕が出来ました^-^;

 コチサはとりあえず大きめの鞄に、生きていく為のものを慌てて詰め込み、ジャケットスーツの上にイベント用の透明合羽を羽織って玄関のドアを開けました。

 そして、外の救助隊員に聞こえるように大声で叫びました。

 コチサ
 「緊急避難民コチサ、只今より非難隊に合流します!」

 勢い込んで一歩を踏み出したのですが・・・

 大きなアナウンス
 「神田川付近のご一帯にご連絡申し上げます。神田川の決壊の可能性は無くなりました。付近の住民の方への避難勧告は解除されました

 コチサ
 「えぇぇぇぇ!!!」

 ・・・

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 でも本当に良かった(^-^)

 でも本当に良かった(^-^)

 テレビ中継では、コチサの住いから目と鼻の先で、命からがら救出された人たちの映像が流れています。

 床上浸水した家・・・

 水没した車・・・

 商品が使い物にならなくなった商店・・・

 一瞬の雨で、大変な被害に遭われた人たちがたくさんいます。

 どんなにシステムが近代化されても・・・

 人間がどんなに万能と思える科学の力を身につけても・・・

 結局は、昔ながらの自然の驚異には太刀打ちできない事を、改めて思い知らされました。

 幸いコチサ邸は浸水も控えめ、コチサの部屋まで水が入ってくることはありませんでした。

 全く眠れない一夜を通して、改めて自然の中に生きている人間を感じました。

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 ところで・・・

 ところで・・・

 慌てて詰め込んだバックの中身は・・・

 ドライヤー、DVDビデオ、大道芸バルーンアート用の風船、サングラス、金毘羅宮の交通安全お守り、カチューシャ、ピエロ衣装、現在愛読中の文庫本「大人の自転車ライフ」・・・

 全く避難所生活で役に立つとは思えないものばかりでした。

 パニックになっている人間なんてこんなもののようです^-^;

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