No.491 「コチサ流、勝ち馬投票権の価値」 2005.2.28
 お馬さん

 たまに競馬場に行きます。

 ツインクルレースなどがある大井競馬場では、なかなか楽しい一日が過ごせます。

 入り口で、400円で新聞とおまけの赤鉛筆をもらい、それを耳に挟んでカッコをつけてみるのですが、コチサは耳が小さいのかすぐ落っこちてしまいます^-^;

 最初の頃は新聞の予想通りに、本命の単賞などをコツコツと買って一喜一憂をして満足していたのですが、慣れてくると新聞は座布団がわりになって目を通さなくなります。

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 コチサ
 「自分の目を信じるんだもんねぇ〜^-^;」

 ひとつのレースが終わると、コチサはパドックに駆け込むようになりました。

 係の人にグルグル引き回されている馬を見定めます。

 これもはじめの頃は、まわりのお客さんたちの意見を参考にしていました。

 「ちょっと入れこんでるな」
 「おぉ艶がのってるな」
 「こいつはこの騎手とは相性がいいんだよ」

 などです。

 でもだんだんそれもやめました。

 コチサは自分で全て決めることにしました。

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 最新のコチサ流馬券購入法は・・・

 @パドックの一番前に陣取ります。

 A正面に対峙するポジションの馬の目を見ます。

 B目が合わない、もしくは目を合わせてくれない馬は、
  コチサと相性が悪いということで落とします。

 C馬がコチサの正面に来たら、匂いをかぎます。

 Dシャンプーとか石鹸、もしくはタクティクスなどの
  香水の匂いがするような馬もはずします。
 (そんな馬はいません。
  横のおじさんだったりするのですが・・・^-^;)

 Eう●ち臭いのもやめます

 Fコチサの田舎の匂いに近い馬が良いです^-^;

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 それとこっそりホーミーをします。

 ホーミーとはご存知のように、モンゴル(詳しくは西モンゴルのアルタイ地方)で発生した倍音唱法で、声帯を振動させながら気管や口腔で倍音を共鳴させ、同時に二つの音声を発する技巧です。

 コチサも「世界のMC]を名乗っているので、一応ホーミーをするのです(偽者ですが・・・^-^;)

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 Gコチサのホーミーに反応して、
  ホーミーでお返しをしてくれる馬は良い馬です。

 Hホーミーでお返しをしてくれなくても、
  鬣をツンと立てたり、尻尾を振ってくれたりと
  何かの反応をしてくれたら、それも気づかいの
  ある良い馬と判断します。

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 最後にコチサは全ての馬1頭づつに「買っていいかい?裏切らないかい?」と、念を送ります。

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 Iコチサの念に反応して、
  申し訳なさそうな顔をしてコチサを見たら、
  そいつは良い馬だけど、
  今回は馬券は買わない方が良い馬です。

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 以上の事を総合的に判断して、コチサは馬券を買うのですが・・・

 今のところ、まだ良い思いをした事はありません^-^;

 買った馬券を、新聞の予想と見比べてみると、無印でオッズがとてつもなく高いものの場合がほとんどです。

 でもこれは、意識的な万馬券狙いでありません。

 コチサが自分の目で選んだ馬が勝つことが醍醐味なのです。

 だから、それが例え元金返しの大本命馬でも、万馬券馬でも関係ないのです。

 (嘘です^-^;。
  万馬券の方が良いのは決まっています^-^;)

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 コチサ
 「つまりね。買ったという気分が大事なんだよ。新聞見ながら選んでも、なんか買わされたって気がすると心が晴れないんだよ」

 レースの合間に煮込みを食べていて仲良くなったおじさん
 「こっちはそんなこと言ってらんないんだよ、生活かかってんだからさ」

 コチサ
 「コチサだって生活かかってるよ」

 煮込みおじさん
 「?」

 コチサ
 「働かされているより働いているって感じの方が、生かされているっていうより生きているって感じの方が、あきらめもつくってもんだね」

 煮込みおじさん
 「?」

 コチサ
 「おじさんが今持ってるのはさっきのレースの当たり馬券でしょ、いくら」

 煮込みおじさん
 「1.3倍だから1300円」

 コチサ
 「コチサが持ってるのは500円のはずれ馬券。今となっては0円。でもオッズは540倍だった。だから27万円の夢があった。それも自分の目で追っかけた夢。おじさんは?」

 煮込みおじさん
 「新聞の二重丸で選んだよ」

 コチサ
 「でしょ。この2枚の馬券、どっちが価値があると思う。おじさんに価値のある方をあげるよ。そのかわり価値の無いほうをコチサにちょうだい^-^;」

 煮込みおじさん
 「その手にはひっかからないよ。とりあえず換金してくるわ^-^;」

 コチサ
 「ちぇっ^-^;」

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 世の中、口先で人を騙そうとしてもうまくいかないということです^-^;

 それに騙してうまくいったところで、コチサのもとには1300円。

 騙されたおじさんのもとには、夢を追う喜びに気がつくチケットが渡ってしまうのですから、騙すことで良いことなど何もないようです。

 それより、騙されたと知らずに騙された方がどんなに素敵な良い気分でいられるか・・・

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 ゲートが開きました。

 ものすごい音で、馬群がコチサの前を走り過ぎていきます。

 この一群が、このコースを一周して次にコチサの前を通り過ぎるのは、ゴールを切ったすぐ後です。

 さぁ、どの馬が、あの馬群から抜け出しているのでしょうか・・・

 コチサの勝った7番の馬は、あの馬群のどこにいたのでしょうか・・・

 そして今何を考えて戦っているのでしょうか・・・

 この勝負、勝っても負けても、コチサは煮込みを食べて次の勝負に控えます。

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