No.429 「東京・その2」 2004.7.23
 夏の夕暮れ

 ^-^;前回の続きです。

 実はコチサは前川清さんが好きでした^-^;

 だから正確には「東京」に憧れた歌っていうよりは、前川清さんが歌った「東京砂漠」に憧れたって感じです。

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 コチサ
 「通学のバスでね。30分テープに全部この曲を録音してエンドレスで聞いてたんだ^-^;」

 眞子ちゃん
 「すごいね。筋金入りの前川清ファンだね」

 聖子ママ
 「確かにあの頃の前川清ってカッコよかったよね」

 かなちゃん
 「何で今カッコ悪いのかな?」

 コチサ
 「し、失敬だな。今だってカッコいいでしょ」

 聖子ママ
 「そう思っているなら、なんで歌うの躊躇ったの?」

 コチサ
 「そ、それは・・・この歌さ、ほらキーが難しくてさ^-^;」

 眞子
 「もともと音痴でキーのことなんか気にしないのがコチサなのに、余計にあやしい」

 コチサ
 「・・・」

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 別に今、前川清さんがカッコ悪いとは思っていません。

 でもあの当時・・・

 コチサが通学バスの中で聞き続けていた頃の輝きは、少し陰っているかもしれません・・・

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 聖子ママ
 「そりゃぁ、人間歳もとるしね」

 コチサ
 「でもさ、あの当時確かに憧れたし、それで力づけられたり勇気付けられたのも事実だよね」

 聖子ママ
 「だから今も忘れられなくて、耳に残るし心に沁みるのよね」

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 東京もそうです。

 見渡す限り山という生活の中で、ビル群が立ち並びネオンが煌く街並みを、どれだけ憧れ美化してきたことでしょう。

 例えそれは事実と違う想像の世界だったとしても、その当時の自分を鼓舞させてくれ、人生を前向きに生きる推進力になっていたことは事実です。

 東京に出てきて、挫折して故郷に帰る人もたくさんいます。

 幸いコチサは挫折はしませんでしたが^-^;、眞子ちゃんもかなちゃんも聖子ママも、故郷へ帰ろうと思った事があるそうです。

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 聖子ママ
 「やっぱりそれを踏みとどまらせてくれたのが歌なのよ。あの歌を聞くとあの頃が蘇ってきてね・・・この程度で挫折するような夢じゃなかったはずよって思ったのよ」

 コチサ
 「へぇ〜『砂漠のような東京で』でねぇ^-^;」

 聖子ママ
 「あなたの『東京砂漠』と大して変わらないわよ」

 コチサ
 「なるほど^-^;」

 眞子ちゃん
 「私もそう。だから歌って言うよりも、どれだけ田舎時代に東京への憧れと夢が強かったかが、故郷に戻るか戻らないかの違いなんじゃないの」

 かなちゃん
 「その思いをどれだけ歌に込めたかってことよね」

 コチサ
 「あのー、コチサ的にはもう一度、前川清さんの話に引っ張りたいんですけど・・・^-^;」

 聖子ママ
 「もう終わったのその話は」

 コチサ
 「えー!!!(>_<)」

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 そういえば昔、こんな話をされたことがあります。

 人間は生まれたときから、誰かのマネをして生きてきます。

 赤ちゃんはお母さんのマネをして言葉を覚えていくし、学校に入れば上級生や友だちの影響を受ける・・・

 自分がどういう人間になるかは、誰をマネする人に選ぶか・・・つまり誰のどんな生き方に憧れるかにかかっている・・・というような話です。

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 そして・・・

 でも人間は成長していくから、努力すればすぐにその憧れた人を超えていくことが出来る。

 そしてまた次の憧れる人のマネをしていく・・・

 でもここに一つだけルールがあります。

 憧れていた人・・・つまりカッコ良かった人がかっこ悪くなってしまっても、その人がカッコ良かった事を覚えておくこと・・・それだけは忘れてはいけない・・・

 それを忘れてしまうことは、自分が登っいる階段の下の方を壊すことになり、自分もまた階段から落っこっちゃう事になるんだから・・・

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 かなちゃん
 「それって、私たちにとっての《東京》ってことなのかもしれないね」

 聖子ママ
 「さすがだね」

 コチサ
 「ん?」

 聖子ママ
 「《東京》と《前川清》さんの話、繋がったじゃない」

 コチサ
 「うん、コチサも長くなっちゃったし、2回に分けちゃったし、どうしようかと思ってたんだよ^-^;」

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 もしかしたら、幼い頃に培われた意識っていうのは、決して色褪せないのかもしれません。

 セピア色になった遠い昔のことのように見えるのは、そういう風に見なくては、今の自分が辛くなるから無意識にそうしてるのかもしれません。

 そしてもし本当にセピア色になったものには、敬意を込めて、それが輝いていた色を復活させて見てあげる必要があります。

 その本当の色を知っているのは自分だけなのですから・・・

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 コチサ
 「ということで、続けて歌います・・・
 前川清さん『この愛に生きて』です・・・
 ♪
 あの人を愛してはいけないと言われぇ〜
 旅に出て忘れようと悩んでもみたがぁ〜」

 かなちゃん
 「コチサはやっぱり『おら、東京さ行ぐだ』が似合ってるよ(^o^)」

 コチサ
 「失敬だなぁ・・・まっいっか、歌いまーす^-^;
 ♪
 はぁーぁっ!
 テレビも無え、ラジオも無え、
 自動車もそれほど走って無え
 ピアノも無え、バーも無え
 巡査毎日グールグル
 朝起ぎて、牛連れで、二時間ちょっとの散歩道
 電話も無え、ガスも無え、バスは一日一度来る
 俺ぁこんな村やだ、俺ぁこんな村やだ
 東京へ出るだ、東京へ出だなら
 銭っこ貯めて東京で牛飼うだぁ〜(^o^)」

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