マラソン好きなコチサが楽しみにしていた、東京国際女子マラソン。
日本中が応援していた高橋尚子さんが、まさかの失速で2位に沈んでしまいました。
それにしてもスタート前の高橋尚子さんの体は、すごかったです。
手や足の血管が浮かび上がっていました。
暖かい声と優しい解説でお馴染みの増田明美さんに言わせると、
「体脂肪がほとんどそぎ落とされ、且つ心拍数が絶好調に達したときに現れる」
ものだそうです。
増田さんは、自分の現役時代にも、絶好調なとき、足がそういう状態になった事はあるけど、腕までそうなるなんて、高橋尚子選手は本当にすごいと言っていました。
たしかにテレビ画面からでも、浮き上がった血管が見えます。
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コチサ
「そうかぁ、マラソン選手はこれは良いことなんだ。うちのお母さんは、足の血管が浮き出て手術をしろとお医者さんに言われているけど、あれとは違うんだな^-^;」
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ということで、絶好調で走り出した高橋尚子さんは、折り返し以降徐々に失速、一時は引き離したアレム選手に抜かれる事になってしまいました。
さかんに後ろを振り返り、おろおろするする高橋尚子さんの顔は、私たちが初めて見た「素」の顔でした。
最後のキロ4分半弱という数字は、実はコチサをはじめとした市民ランナーでも、一度は経験した事があるという低い数字でした。
ですから「高橋尚子さんが、キロ4分半で走ってる」という数字に、解説の増田明美さんが一瞬言葉に詰まったのもよくわかる事でした。
しかし、垣間見た「素」の高橋尚子さんはそこまで。
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ゴールをした途端、高橋尚子さんはいつものQちゃんに戻りました。
ニッコリ笑って、
「28キロぐらいから、あ、足が止まったと思ったんですが、みなさんの応援が後押ししてくれました。自分らしく序盤から積極的に飛ばしていったんですが、まだまだスタミナ不足だったなと思います」
といつもの口調で語りました。
これが高橋尚子さんの美学なんだなと思いました。
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例えば・・・
「実は昨日から体調を崩し、お医者さんに止められていたんですけど・・・」
とか、
「突然お腹が割れるように痛み出して、目の前が真っ暗になって、ゴールしたのさえ覚えていません」
とかのコメントを出したり、
例えば・・・
突然倒れこみ、片手をゴールに向けて伸ばしながら気絶したり・・・
とか、
足を引きずりはじめ、小出監督に抱きかかえられ無念の棄権となったり・・・
とかのアクションがあったり、
そういうわかりやすい、誰もが納得が出来て、自分自身にもエクスキューズになる収拾のつけ方を、高橋尚子さんは決してしませんでした。
考えようによっては、
「この人、本当にマスコミが嫌いなんだな」
とか思ってしまうくらい、
「マスコミが喜ぶようなネタは提供しないぞ」
という姿勢にも見えますが、
コチサは、これが高橋尚子さんの美学なんだと思いました。
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コチサだったら、これだけ注目されていたら、とりあえず「何かのせい」にしたと思います。
ゴール後に神妙な顔で、アクシデントの理由を訴え、無念の涙をこぼすことで、大観衆の同情の拍手を望んだと思いました。
増田明美さんや、松野明美さんの時代から、女子マラソンは随分変わったんだと思いました。
多分、スポーツ界全体が、メンタルトレーニングを導入して来たことによって変わってきたんだと思います。
しかしメンタルトレーニングの経験の無いコチサたち一般観衆は、かつての選手たちのように「どうして何かのせいにしないの?」と、逆に疑問に思ったりしました。
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ご隠居
「久しぶりに、今回は大真面目ですねぇ」
コチサ
「いや、この前WEB朝鮮日報で、野球のワールドカップに負けた韓国チームに韓国人からの「もう人のせいにするのはやめよう」という記事が載っていたんです」
ご隠居
「ほう、韓国でねぇ」
コチサ
「だから日本も負けちゃいられないと思いまして」
ご隠居
「野球、バレーボール、サッカーと、スポーツではことごとくライバルのお国柄ですからねぇ」
コチサ
「そうです。サッカーのワールドカップでも、お互いの国のサポーター同士が友情を深めたように、今度は観客の意識でも負けられないと思いまして」
ご隠居
「でもねぇ・・・」
コチサ
「へっ?」
ご隠居
「高橋尚子さんの態度を見て、みんなさわやかだと思ったはずですよ。いまどき、どうして何かのせいにしないんだい?と思ったのはコチサさんくらいじゃないですかねぇ」
コチサ
「どうせコチサは、メンタルトレーニングを受けていない、こずるい市民ランナーですよ」
ご隠居
「確かに」
コチサ
「(`_´メ)」