1958年〜79年にわたってTBS系列で放送された人気歌謡番組の、キャラバンパッケージコンサート、東京全日空ホテルでの、「ロッテ歌のアルバム」のお仕事に参加させていただきました。 今回は、玉置宏さんの司会に、ゲストは橋幸夫さん、三田明さん、黛じゅんさん、中村晃子さん、あべ静江さんです。 世界のMCコチサも、大御所MC玉置宏さんを前にしては、「おまけのおまけ」という感じで、さすがに小さくなって丸くなっていました。 ステージ開演です。 「一週間のご無沙汰でした・・・」 恒例の玉置さんの「決め台詞」が出ると、客席は異様に盛り上がり、昭和の時代に一気にタイムスリップします。 あべ静江さんの「水色の手紙」、中村晃子さんの「虹色の湖」、黛じゅんさんの「天使の誘惑」、三田明さんの「美しい十代」、そして橋幸夫さんの「潮来笠」・・・ 定番の持ち歌の時は、お客さんのノリも大きく、歌う歌手の皆さんもより輝きます。 ステージ横の巨大スクリーンには、当時の映像も流れます。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 歌手自身の皆さんもお客さんも、「青春」と「今」が錯綜した空間の中で、記憶と現実の狭間で一時一瞬に酔いしれます。 「みんな素晴らしい時代を生きてきたんだな」 「昭和っていいな」 ステージ横で、少しだけ「昭和のウェーブ」に乗り遅れたコチサは嫉妬します。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 10代の青春時代、あべ静江さんの大ファンで、深夜放送を聞きすぎて受験勉強が手に付かなかったかもしれないおじさんが今、現実のあべ静江さんにステージに呼び上げられて、今にも卒倒しそうに緊張しています。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: あべ静江さん 「どの曲が、印象に残ってますか?」 おじさん 「コ、コ、コ・・・」 コチサ(一人突っ込み) 「コケコッコーかい!」 おじさん 「コーヒーショップで、です」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 古くから学生の街だった 数々の青春を知っていた 城跡の石段に腰おとし、 本を読み涙する人もいた そんな話をしてくれるコーヒーショップのマスターも、 今はフォークのギターを弾きながら、 時の流れを見つめてるぅ〜 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサ 「今はスタバでしょ、カフェの時代だよ、カフェ。フォークギターを弾いているマスターなんて、今じゃペンションにもいないよ」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 相変わらず一人で突っ込むコチサですが、あべ静江さんの透き通った歌声は、会場の一人一人の胸に染み入ります。 一人昭和の時代へのタイムスリップを拒否して、憎まれ口を叩いていたコチサも、ついに抗いきれなくなりました。 コチサ 「ただいまぁ〜」 おかあさん 「まぁ〜、また泥だらけで、何してきたん?」 コチサ 「トンボ追いかけてたら、畑に落ちたんだよ」 おかあさん 「とにかく、そこのたらいにお湯入れてあげるから、体洗いなさい」 コチサ 「うん、でもおかあさん、お腹減ったよ」 おかあさん 「ちゃんと洗ってきれいになったら、コロッケあげるから待ってなさい」 コチサ 「わーい!」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ほら、これだから嫌なんだよね。 コチサの昭和の思い出は、田舎での「山猿時代」しかないんだから。 このステージのお客さんや、歌手の方たちのように、美しい燃えるような恋の思い出は無いんだ。 コロッケだよ、コロッケ、コロッケの思い出なんだよ・・・ 玉置宏さん 「昭和の青春歌謡、皆様の心に輝かしい、何よりも美しいあの時が蘇った事と思います。またいつの日か、お会いできることを楽しみに・・・ありがとうございました」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 名調子でステージが締めくくられました。 会場は尽きる事のない大拍手です。 そっかぁ、歌っていいなぁ、何よりも美しいあの日あの時が蘇るんだ・・・ そうだよ、コチサの青春だって、コロッケだけじゃない美しい思い出があるんだぞ! ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: コチサが初めて「ステレオ」を買ってもらった時の事です・・・ 今日ステレオが届けられることを知っていたコチサは、小学校から山道を一目散で帰ってきたんだ・・・ お父さんが、「お前の好きなレコード3枚買って来ていいぞ」ってお金をくれて・・・ コチサはお友だちの「おかちゃん」と、とよたレコード店に行ったんだ・・・ 野口五郎さんの「コーラスライン」 松田聖子さんの「青い珊瑚礁」 そして何故か、 明石家さんまさんの「真っ赤な嘘」(#^.^#) ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: おかちゃんと、何回も何回も聴いたんだ・・・ お母さんが、「よく飽きないもんだね」と入ってきて、おやつにコロッケを差し入れてくれたんだ。 それでも、コチサとおかちゃんは、飽きることなく、コロッケを食べながらレコードを聴いたんだ・・・ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: あっ! また「コロッケ」だ。 もしかしたら、コチサの青春って本当に「コロッケ」だけなのかも・・・ ところで、 今回のこのお仕事、コチサにとって何よりも勉強になったのは玉置宏さんのMCでした。 歌手の皆さんの素敵な歌声を聞けた事も嬉しかったのですが、「世界のMC」としては、玉置さんの立ち居振る舞い、言葉の抑揚、間の取り方、アドリブ、押し引きのタイミング・・・全てが貴重な経験でした。 どんな高い授業料を払っての学校や講座でも、絶対に習う事の出来ないものを得る事が出来ました。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: マネージャー 「じゃぁ、今回のギャラは無しってことでいいんすか?」 コチサ 「なわけないでしょ。それとこれは別です!(きっぱり)」 マネージャー 「だよね」 |
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