やぁやぁ、コチサです。 長い間、お時間を頂戴してしまいました。 最後に更新のマイクに向かってから、随分と時間が過ぎました。 ほこりを被ったマイクに息を吹きかけ風に飛ばして、ついでにいろんな思いも風に飛ばして、ちょっとだけ緊張して今、コチサボイスの録音が終わりました。 コチサ 「やぁやぁ、コチサだよ」 お父さん 「なんや、お前か」 コチサ 「お誕生日、おめでとう」 お父さん 「そうやったかの。なんや、おまえのせいで、忘れてしもたわ」 コチサ 「迷惑をかけたね」 お父さん 「まぁ、親が子に迷惑をかけるより、かけられた方が幸せやと思わなあかんからな」 コチサ 「困った娘で・・・」 お父さん 「ほんまにのぉ」 コチサ 「でも、そこがまた可愛い娘で・・・」 お父さん 「それはないぞ」 お父さんの誕生日は、大好きな晩酌がこの日だけは2本にしてもらえる、お父さんにとっては至高の時です。 なんとかこの日までには元気に復活しとかないと、おいしいお酒を飲んでもらえません。 ようやく間に合った電話の声は、いつものお父さんの声でした。 おいしいお酒を飲んで、ちょっとだけ上機嫌の、いつものお父さんの声でした。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 子供の頃、この声があまり好きではありませんでした。 お酒を飲んだお父さんは、どこででも寝てしまうので、お母さんとおばあちゃんが、布団まで引きずって行くのを見ていたからでした。 コチサ 「お酒飲まなければいいのに・・・」 お母さん 「お父さんの、たった一つの楽しみや、飲んだからってどうなるわけでもない。ただ寝てしまうだけや」 コチサ 「お酒って美味しいのかな?」 お母さん 「さぁな。お前も大きぃになって、飲んでみたらわかるで」 結局、コチサは成人しても、体がお酒を受け付けることなく、お父さんの楽しみはわからないままでした。 ただ、やっぱりお酒は飲まないお父さんが好きだなと思っていました。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 「平凡である事」「いつもと同じ明日が来ること」は、実はとても平凡な事ではない貴重な事で、大切に味わっていかなくてはならない事だと気がついたのは、随分後になってからでした。 子供の頃、風邪を引いて熱を出すと、お母さんは優しくなり、お父さんは果物を買ってきてくれました。 いつもと違うお父さんとお母さんを、自分だけのものにしたようで、とても嬉しかったのを覚えています。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: でもいま・・・ 娘が病気になって、父親の憎まれ口が消えたり、母親がとても親切に身の回りの心配をしてくれる事は、実はとても悲しい事だと思っています。 お父さんの誕生日までに、お父さんがいつも通りに、2本の晩酌が飲めて、お誕生日おめでとうの電話に憎まれ口で返事を返すこと・・・ それがコチサの入院中の目標でした。 そしてぎりぎりだけど・・・セーフ! コチサのボイスプレゼンテーション、再開初回のコチサニュースは、応援して励ましてくれた皆様をさしおいて、親不孝コチサが、両親への感謝の気持ちを捧げてしまいました。 個人的な内容の再開で、ごめんなさい。 そして、入院中にさまざまなアイデアを凝らして、コチサを元気づけてくれた皆様、本当にありがとうございました。 辛口コチサに一層磨きをかけて、コチサニュース、次号から早速全開です。 |
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