コチサの姪っ子(妹の子供)ブーフーウーの二番目も、小学校に入学となりました。 おめでと。 そしてまたあの忌まわしい儀式、お祝いです。 妹 「もうええで、何も送らんでも」 コチサ 「そうは言ってもねぇ・・・フーに代わって」 フー 「フーです」 コチサ 「入学祝い、何がいいの?」 フー 「あんなぁ、頭にくるくる巻くゴムが欲しいん。東京にはええのがたくさんあるやろ」 コチサ 「がってんだい!」 快諾はしたものの、髪留めのゴムなんか、さすがに送れません。 だって数百円のものですから。 コチサ的には楽ですが、嫁ぎ先の実家にそんなもの送られたら、妹の立場があったものじゃありません。 ブーの時には、スヌーピーの柱時計を送ったので、今回はミッキーの目覚まし時計に決めました。 ブーとの金額的な調整もかねて、とっとこハム太郎の腕時計もつけました。 フーは喜んでくれるでしょうか? :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: フー 「もしもしコチサ、ありがとう」 コチサ 「入学おめでとう。目覚まし使って、朝一人で起きるんだよ」 フー 「ありがとう」 コチサ 「どうしたの?あんまり元気ないね」 フー 「ううん、そんなことないよ」 コチサ 「そう。じゃぁ、またお正月に会おうね」 フー 「あっ、待ってぇ・・・」 コチサ 「ん?どしたの?」 フー 「あんなぁ・・・頭にくるくる巻くゴムはなぁ、また送ってくれるん?」 コチサ 「ゴ、ゴム?」 フー 「うん、ゴム。フーな、目覚まし時計も嬉しいけどなぁ・・・本当はなぁ・・・コチサが頭にくるくる巻くゴムをなぁ、送ってくれるの楽しみに待ってたん」 コチサ 「・・・そ、そっか・・・」 フー 「送ってくれるん?」 コチサ 「あ、あたり前でしょ。今回の目覚まし時計は先ず第一弾だよ。本命はゴムだよ、ゴム。もう少し待っててね」 フー 「ほんまか!ありがとうな。ありがとうな。フーはコチサが大好きやで」 コチサ 「コチサもフーが好きだよ」 金額的な問題・・・ 妹の立場・・・ そんなものは、フーにとっては意味の無いものだったようです。 東京でしか売ってない(と本人が勝手に思っている)ゴムの髪留めをして、小学校に行きたい。 それだけが希望だったし、望みだったのです。 目覚まし時計を買って、姉のブーに送った時と金額をあわせるために腕時計もつける・・・ そういう帳尻合わせも、もちろん家対家、社会人対社会人として必要です。 でも、本当にフーの気持ちを考える事が出来ていたら、合わせてゴムの髪留めも送ることは出来たと思いました。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 妹 「ぎょうさん、髪留め送ってくれてありがとうな」 コチサ 「あっ、着いた?たくさん買ったから、ブーと分けて使ってね」 妹 「ありがとうな、高かったんと違う?4桁いったんやないの」 コチサ 「4桁?当たり前じゃん。そんな4桁で驚かないでよ」 妹 「いや、姉ちゃんが4桁出すなんて、お母さん聞いたら腰抜かすで」 コチサ 「じゃ、じゃぁ、と、時計はどうなのよ。ブーの時もフーの時も5桁だよ。腰どころか魂抜けちゃうじゃない」 妹 「だって、あれはポイントカードとかいうのん使こうたんやろ」 コチサ 「な、何それ?」 妹 「お母さん言っとったで。ポイントカードいうのがあって、サチコは人の買い物したりして、それを貯めとるらしい。毎回時計を送ってくるんは、それを使うてるからやって」 コチサ 「な、なんで、そんな事を・・・お母さんが知ってるわけないじゃない・・・だれがそんな根も葉もないことを・・・」 妹 「今年の正月にサチコが自慢げに話しとったって言ってたけどな・・・」 コチサ 「うっ、(そう言えば)」 妹 「まぁ、なんでもええわ。フーがすごい喜んでな。今、手紙を書いてるところや。待っとってや」 嬉しいやら、情けないやら・・・ でも、喜んでくれて良かった。 とりあえずコチサは、フーの手紙を楽しみに待つことにします。 |
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