No.308「飯塚聡美」  2003.4.8

 写真・・仲良しヒヨコその1

 コチサ

 「えー、声優さんですかぁ?」

 担当者

 「あっ、そうか。コチサさんは言葉を紡ぐボイスアーティストで、声優じゃなかったんですよね」

 コチサ

 「そだよ」

 担当者

 「じゃぁ、この仕事、キャンセルしますね」

 コチサ

 「昨日までだよ」

 担当者

 「えっ?」

 コチサ

 「それは昨日まで。今日からはやるよ」

 担当者

 「何をですか?」

 コチサ

 「声優さんだよ」

 担当者

 「・・・(仕事よっぽどないんだな、こいつ)・・・わかりました」

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 写真・・仲良しヒヨコその2

 ということで、ゲームソフトの声優さんのお仕事をさせていただいたのは、去年の秋ごろのこと・・・

ライン

 コチサ

 「じょ、女子高生役ですかぁ?」

 ディレクター

 「はい、飯塚聡美役をお願いします。他のキャラと違って、優等生タイプの論理派の女の子です。これが原画です」

 コチサ

 「か、かわいいじゃないですか」

 ディレクター

 「一応、人気漫画の原作ですから」

 コチサ

 「そんな大役をコチサがやっていいんでしょうか?」

 ディレクター

 「そのかわり、台本厚いっすよ」

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 と、目の前に置かれた台本は、あわせると1000ページを越えます。

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 コチサ

 「す、すごい」

 ディレクター

 「アドベンチャーゲームですからね。選択肢によってゲームがどんどん広がっていくんですよ」

 コチサ

 「わ、わかりました」

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 写真・・仲良しヒヨコその3

 そして・・・

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 コチサ

 「きゃー!!!」

 ディレクター

 「もっと、叫んでください」

 コチサ

 「キャー、キャー、きゃぁぁぁぁぁ!!!!」

 ディレクター

 「はい、そこで絶命」

 コチサ

 「く、くる、く・る・し・いぃぃぃ、バタン!」

 ディレクター

 「コチサさん、今時、家族のかくし芸大会でも、そんなコテコテの絶命シーンなんてやりませんよ」

 コチサ

 「はぁ・・・」

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 そんなわけで、その日一日中、コチサは何度叫んで、何度殺されたことでしょう・・・

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 ディレクター

 「カァット!」

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 まばらな拍手

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 ディレクター

 「お疲れ様でした」

 コチサ

 「ふー、お疲れさまでした」

ライン

 写真・・仲良しヒヨコその4

 そして約半年が・・・

 プログラマーの方たちの、多大の努力とご苦労により、

 
プレイステーション2専用ソフト「吸血姫夕維(バンパイアゆい)

 が発売されました。

 プレイヤーは5人の女子高生の中から、好きなキャラクターを選んでゲームを進めていく、サスペンスアドベンチャーです。

 どの5人を選んでも、ゲーム中にコチサは登場します。

 もちろんコチサの飯塚聡美を選択すれば、一番出演場面は多くなります。

 さぁ、コチサこと飯塚聡美を殺さないで、エンディングにたどり着こう!

 詳しくは、こちらを・・・

ライン

 写真・・仲良しヒヨコその5

 担当者

 「もしもし、コチサさん。あのゲーム、ついに発売になりましたね」

 コチサ

 「どこで売ってるの?コチサ全然見かけないよ」

 担当者

 「さぁ、私もあんまりゲームやらないから。でもゲームソフト屋さんにいけばあるんじゃないですか?」

 コチサ

 「だからそのゲームソフト屋さんてどこにあるの?」

 担当者

 「多分、秋葉原あたりじゃ・・・」

 コチサ

 「買って来てちょ」

 担当者

 「そ、そんなぁ。コチサさんにはソフトどころかPS2本体分のギャラも上乗せされているじゃないですか」

 コチサ

 「そなの?」

 担当者

 「まさか、本体も買ってないとか・・・」

 コチサ

 「そりゃそうだよ。あの時点では、まだ発売は半年も先だったじゃん、必要なかったんだよ」

 担当者

 「・・・当然、もう使っちゃってますよね、お金」

 コチサ

 「当然です!」

 担当者

 「じゃぁ今回は諦めてください。この役が好評だったら、また仕事もらえると思いますから、その時は買って下さい」

 コチサ

 「そ、そんなぁ〜(-_-;)」

ライン

 写真・・仲良しヒヨコその6

 コチサニュースをお楽しみの皆さん!

 どうぞ、コチサのかわりに、「吸血姫夕維」をお楽しみ下さい(^o^)丿



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