春の入学のシーズンです。 一年前、けなげなことを言ってコチサからのプレゼントを遠慮した姪っ子の「カスミ」には新一年生という後輩が誕生します。 (コチサニュース75号参照) 去年のお正月、実家での会話です。 まだ入学前の事でした・・・ 夜、コチサの布団に入ってきました。 カスミ 「一緒に寝ていい?」 コチサ 「うん、いいよ」 カスミ 「ありがとう」 コチサ 「カスミも春から小学生だね、嬉しいでしょ」 カスミ 「あんなぁ、カスミなぁ、心配があるん」 コチサ 「心配?」 カスミ 「あのなぁ、二つあるん」 コチサ 「なーに?」 カスミ 「今の幼稚園がな、卒業できへんと小学校あがれへんやろ。カスミなぁ卒業できるか心配なんや」 コチサ 「そんなことないよ、大丈夫だよ。幼稚園は誰でも卒業出来るんだよ。ちゃんと小学校行けるよ」 カスミ 「そうなん、なら良かったぁ」 コチサ 「もう一つは何?」 カスミ 「あんなぁ、カスミは姉弟の一番上やから、お兄さんもお姉さんもおらへんやろ。みんなはおるん。だからいろいろ教えてもらえるやろ。カスミは教えてもらえへんやろ。だからわからないこととかあると心配なん」 コチサ 「そっかぁ・・・でも先生がいるでしょ。何でも先生に聞けば良いんだよ。ちゃんと教えてくれるよ」 カスミ 「そうなん・・・じゃぁ心配はせんでもええんかなぁ」 コチサ 「そうだよ、心配なんかしなくて良いんだよ」 カスミ 「良かった、ここんとこが痛うなってたんよ」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: そう言うとカスミは胸をさすりにっこり笑い、あっという間に眠りについていきました。 子供には子供の心配がある。 コチサは給食のパンを食べられるかが一大事だった頃を懐かしく思い出しました。 大人になってみれば、小さくくだらない事ですが、その時のその自分には地球爆発にも匹敵する一大事でした。 だから、このカスミの心配もコチサにはなんとなくよくわかったような気がしました。 そして一年・・・ さぁ2年生になるカスミはあの心配を乗り越えたでしょうか。 思い出したのを機会に電話をしてみることにしました。 コチサ 「もしもしカスミ、学校はどう?もう心配ごとは無くなった?」 カスミ 「あんなぁ、一つ心配事があるん」 コチサ 「あらあら、なーに、言ってごらん」 カスミ 「あんなぁ、カスミ大きくなったらお嫁さんに行くやろ」 コチサ 「・・・」 カスミ 「そんでなぁ、もし安井君と結婚したらなぁ、どうしようかと思ってるん」 コチサ 「安井君って?」 カスミ 「カスミの事が好きなんやて」 コチサ 「良かったじゃん」 カスミ 「でもな安井君と結婚するとなぁ、カスミはなぁ、やすイカスミになるやん。スパッゲッティみたいやろ」 コチサ 「・・・」 カスミ 「困ってるん」 コチサ 「・・・」 はっきり言えるのは、あの田舎の町にもイカスミのスパゲティなんてものが認知されているって事・・・ コチサの子供の頃はテレビだってNHKと他1局以外はうまく受信できなかったのに・・・(>_<) |
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