山本周五郎作「かあちゃん」の映画版、市川昆監督作品を見てきました。 ロードショー公開からまだ一週間しか経っていない時期なので、事前に前売りを手に入れようと映画館に出向きました。 コチサ 「かあちゃんを来週見に来るのですけど、予約しようかと思うのですが」 販売員 「あのー申し上げ難いんですが、指定予約しなくても大丈夫だと思いますよ」 コチサ 「どゆこと?」 そして当日。 日比谷みゆき座にて。 うーん。 総座席数756席に対して、観客は40名弱です。 確かに指定席を取らなくても、指定席のまわりの席がガラガラに空いてます。 コチサは指定席の前の席で、ゆったりのんびり鑑賞できました。 お客さんが少ないと言うことは、スクリーンまでの視線を、人の頭で遮られる事がなく、見る分にはなかなか快適です。 特にコチサはちっこいので、ただでさえ椅子に埋もれてしまいがちなので、大助かりでした。 しかし・・・ やっぱりお客さんの少なさには驚かされます。 平日ならまだしも、休日の夕方・・・通常なら一番込む時間です。 カップルが、映画を見て、「じゃぁ夕食を」というにはちょうど良い時間です。 カップル男性 「良かったね」 カップル女性 「えぇ、とっても」 カップル男性 「お腹減ったね」 カップル女性 「えぇ、少し・・・」 カップル男性 「何食べたい?」 カップル女性 「何でも・・・お任せするわ」 カップル男性 「じゃぁ蟹でも・・・」 カップル女性 「えぇ、大好き」 なんて会話が、あちこちから聞こえて当然の時間帯です。 でも周りを見回しても、若いカップルなんて一組もいません。 やっぱり、内容が受けないのかなぁ? 岸恵子さん扮する「かあちゃん」は、今は無き古き良き時代のかあちゃんで、空き巣に入った原田龍二さん扮する「勇吉」を自分の子供として家に住まわせます。 「かあちゃんがそうするって言うなら、僕たちはそれでいいよ」 子供たちも素直にかあちゃんの決定に従います。 そして何度かホロッとさせる山場を作りながら物語りは大団円に向かいます。 ・・・こう書いてきて、そうだよね。 このストーリーじゃ、あんまり若者は集まらないかも知れない・・・ そんな気になってきました。 コチサが足を運んだのは、この岸恵子さん扮する「かあちゃん」役が、かつて所属していた劇団の宝生あやこ先生の舞台での十八番役だったからという理由でした。 時代が変わり、作られる映画も変わって行きます。 でもたった40人のお客さんでも、好んで見に来る人たちに選択肢を与える為に、756座席を解放したみゆき座に拍手喝采です。 ・・・ということでコチサも「かあちゃん」に電話。 コチサ 「もしもし、かあちゃん?」 お母さん 「なんだ、またお前か?何か用か?」 コチサ 「いや、元気な声を聞こうかなって思って」 お母さん 「昨日もかけてきたやろ。一日二日で声は変わらんよ」 コチサ 「岸恵子さんの『かあちゃん』っていう映画見て来たよ」 お母さん 「それで電話したのか?うちの母ちゃんはどうかなって思って?」 コチサ 「ううん、うちの岸恵子さんはどうかなって思って電話したんだよ」 お母さん 「そ、そうなんか(#^.^#) 岸恵子さんか、お母さんに似てるんか?」 コチサ 「うん、そっくり」 お母さん 「そうか、そうなんか。お母さんは元気やで、お前はどうなん?食べ物あるか?何か困ったこと無いか?何でもお母さんに言うんやで」 コチサ 「うん、そうする」 コチサ、映画「かあちゃん」を見て、かあちゃんに親孝行するの巻。 |
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