コチサニュース No.160 2001.10.26

 蟻ん子入り口コチサニュースNo.140で書かせていただいた、しますえよしおさんのシャンソニエ「蟻ん子」に行って来ました。(やったぁ〜(^o^)丿)

 うーん、JR四ツ谷駅を降りるともうシャンソンの香り。

ライン

 しますえさん

 「ようこそ!蟻ん子へ」

 コチサ

 「なんの、なんの」

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 巴里の社交界の空間に紛れ込んだ一匹の山猿コチサは、周囲の奇異の視線も気にせず、しますえさんの声に心を震わせます。

 しますえさん歌う

 最初のステージが終わり、しますえさんがコチサのテーブルにもやって来てくれました。

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 しますえさん

 「本日はありがとうございます」

 コチサ

 「なんの、なんの」

 しますえさん

 「申し訳ありませんが、本日いただいているリクエスト。あれ歌えないんですよ」

 コチサ

 「あぁ、そうですか」

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 シャンソニエでリクエストが通らないことなんかよくあることです。

 戸川さんイメージイラスト^^;戸川昌子さんのシャンソニエ「青い部屋」では、戸川さんが「今日はその歌の気分じゃないからダメ」とか言っちゃいますから・・・

 だから、わざわざお詫びに来ていただかなくても結構だったのに・・・

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 しますえさんイラストしますえさん

 「リクエストの初恋のニコラねぇ、あれ声が出ないんですよ」

 コチサ

 「へっ?」

 しますえさん

 「あれ音域が広いでしょ。僕、音域が狭くなったみたいで、高い音が出なくて歌えないんですよ」

ライン

 ハートマークハートマーク「初恋のニコラ」・・・ハートマークハートマーク

 コチサの大好きな曲で、シルビーバルタンさんの名曲です。

 日本でも何人かの歌手の方が取り上げて歌っていらっしゃいました。

 シャンソン歌手の方ではないかったけれど、天地真理さんも再デビューの後、持ち歌として歌っていました。

 でもコチサは本家シルビーバルタンさんの歌声よりも、しますえさんの日本語の歌の方に心が惹かれていました。

 一時期「サンライズ・サンセット」を世界一上手に歌うのは、日本語で歌う森繁久弥さんだという話がありましたが、コチサにしてみれば「初恋のニコラ」を世界一素敵に歌い上げてくれるのは、日本語で歌う『しますえよしおさん』だと思っていたのです。

 日本語版の歌詞は何種類かあるのですが、それもコチサはしますえさんバーションの歌詞が気に入っています。

 (ちなみに天地真理さんも、このしますえさんバーションで歌っていました)

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 音符マークここから歩くわ、車を止めて

 音符マーク部屋まで来ないで、心が揺れる

 音符マーク悲しいほど笑いながら見つめ合えば、どこまでも愛しき人、風が泣いてる


 何と照れくさい歌詞でしょう・・・

 でもこれがしますえさんの口から出ると、言葉に命が宿ります。

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 しますえさん

 「若い頃は歌っていたんですけど、だんだん歳をとりましたからね・・・」

 コチサ

 「・・・」

ライン

 よくテレビで「懐かしのベストテン」とか言って、かつてのアイドル達が、かつてのヒット曲を歌ってくれます。

 あの時の衣装を着て、あの時のキーで、高い音はつま先を伸ばすように背伸びをして、それでもかすれていて・・・

 その姿に、私たちは歳月と年輪を重ねた自らの姿を映し出し、懐かしさとちょっぴりの胸の痛みの入り混じった青春時代に浸ります。

 アイドル達も、今はそれぞれの生活を持っています。

 ひとときかつてのアイドルに変身することで、私たちと同様にかつての青春時代を懐かしがっているのかもしれません。

 だから声がかすれていようと、衣装がきつかろうと関係ありません。

 そこは同窓会であり、今だけのタイムスリップですから。

 かつてのアイドルも今はプロのアイドルではないし、私たちも今はプロの「追っかけ」ではありません。

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 でもしますえさんは、かつても今もプロのシャンソン歌手です。

 そして胸を張って「もう初恋のニコラの声は出ない」と伝えてくれました。

 そこには、

 「でも今の方がもっと自信を持って聴いてもらえる曲があるんだよ」

 「もっとお客さんを満足させる歌があるんだよ」

 というプロフェッショナルの誇りが見えました。

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 コチサは、心から申し訳なく思ってしまいました。

 コチサの心の中に、しますえさんをかつてのアイドルのように、懐かしみ想い出をかき立たせてくれる存在にしていた気持ちがあったのだと思いました。

 しますえさんの「初恋のニコラ」を聞きながら、上京してきたばっかりの頃、友だちもいなくて一人すりきれたカセットテープを聴いていたあの時代を懐かしがりたかったんだと思いました。

 しますえさん歌う

 でも、そんなのは家でテープを聞きながら一人ですれば良い事です。

 今、目の前にいるのはかつての「初恋のニコラ」から数倍も大きくなり、円熟した歌声を聴かせてくれるプロフェッショナルな、しますえさんなのです。

 「今」を聴きに、「今」を生きるためにやってくる人たちの為に、「今」の感動を伝えてくれるしますえさんなのです。

 しますえさん、ごめんなさい。

ライン

 コチサ

 「どう?プロはプロを知る。社長にはわかんないだろうな」

 社長

 「何かい?円熟するってのは江夏が晩年リリーフに転向して成功したようなもんかい?」

 コチサ

 「違うんだな、それは「転向」でしょ。しますえさんは「成長」してるんだよ。江夏さんの例でいえば、ちゃんと中5日できちんと先発完投し続けるようにしたってことだよ」

 社長

 「そうだな。江夏は巨人戦になると、初戦と第3戦が先発。2戦目はリリーフで出てきたもんな・・・ってなんで君が知ってるの?」

 コチサ

 「プロはプロを知るからだよ」

 社長イラスト社長

 「で、君は何のプロなんだ。嘘つきのプロか?口先三寸のプロか?」

 コチサ

 「似たようなもんだけど、コチサはプロの「世界のMC」なんだよ」

ライン

 ハートマークハートマーク「初恋のニコラ」ハートマークハートマーク

 音符マークニコラ、ニコラ、振り返り呼び止めれば、

 音符マーク消えた舗道、走り去る車の音

 コチサの「初恋のニコラ」はもう聴けない。

 まさに生涯に一度の「初恋」そのもののような気がしました。







 おまけ

 しますえさんと一緒にパチリ(#^.^#)


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