No.155 2001.10.15
コチサのメール友だち、神戸の電車の元運転士さん、現助役さんが婚約されました。
「ほほぉー(#^.^#)」
おめでとうございます
助役と言えば、駅長の次に偉い人。
年配な方のイメージを思い浮かべるかも知れませんが、まだ3×歳、異例の抜擢です。
助役の助さん
「・・・とまぁそういうわけで、結婚することに・・・」
コチサ
「おめでと!」
助さん
「まぁコチサには最初に言っておこうと・・・お先に悪いね」
コチサ
「別に悪くないぞ(>_<)」
助さんと知り合ったのはもう随分前・・・
ある日、営業コチサに注文をいただいて、それ以来のお付き合いです。
阪神大震災の時は、現地の人として、テレビや媒体では報道されない生の声を教えてくれました。
だから、オリックスブルーウェーブが優勝した時には、そんな感慨にふけりながら真っ先に「おめでとう」メールの交換をしました。
助さんと初めて会ったのは、助さんが仕事で東京出張をしてきた時でした。
お母様を亡くされ、まだ日が浅かった頃でした。
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助さん
「はじめまして」
コチサ
「やぁ、コチサです」
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少しくたびれた様子の助さんでした。
コチサは、お父様との男所帯になった生活の変化のせいかなと感じました。
その後何度か会ううちに、だんだんいつものメールのようなテンポに戻っていった事も、コチサのその最初の印象を強めるにいたりました。
もちろん面と向かってそんな話をしたことはないのですが、
「いくつになったって親と別れるのは寂しいよね」
「でも男の人って、そんなこと表に出せないから辛いよね」
などと思っていました。
助さんとは、四谷の「あぶさん」という野球好きの人たちが集まるお店で会います。
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コチサ
「イチローさん、アメリカ行っちゃうね」
助さん
「仕方ないね」
コチサ
「新庄さんも行っちゃうんだよ」
助さん
「向こうでも派手な手袋するのかな?」
コチサ
「赤い手袋は、柴田選手がハシリだよね」
助さん
「ん?」
コチサ
「芸能人と野球選手の恋愛だって、柴田選手がハシリだよ」
助さん
「???」
コチサ
「伊東ゆかりさんとね・・・」
助さん
「いつの話?なんでそんな話知ってるの?」
コチサ
「まぁね」
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と、野球談義(?)に花が咲きます。
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コチサ
「で、なんでカウンターに携帯電話置いてるの?」
助さん
「いや、もしかするとかかってくるかも知れないんだ」
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付き合いだした彼女とは遠距離恋愛で、彼女は今この時間も仕事をしているとのこと。
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助さん
「電話がかかって来たらすぐ取れるようにね」
コチサ
「ほほぅー(*^_^*)」
助さん
「今も彼女は仕事してるのに、僕は東京に来てコチサなんかとお酒を飲んでいる、何か悪くてぇ〜」
コチサ
「なんかぁ〜?・・・おいおい助さん、泣き上戸はよしとくれ。それにコチサはお酒は飲んでないよ。ミネラルウォーターだよ・・・そばメシ食べようっと」
助さん
「あぁ、コチサなんかと・・・」
コチサ
「・・・大盛りにしようっと」
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その晩、助さんは一人ホテルに戻って、遥か雲海の下に、星の瞬きの如く明かりを灯すビルの一角で働く彼女に、懺悔の思いを馳せたそうです。(ジェットストリームかい、あんたは)
まぁその頃、家に帰ったコチサは、満腹・満足の高いびきだったわけですが・・・
新しい家族を作る二人が何処に住むのかは知りません。
もしかしたら、かつてお母さんが切り盛りしていた、現在の助さんのご自宅に住まわれるのかも知れません。
幼い頃の助さんを、いつも明るく照らしていた家族という電球の輝いていた家。
一度は消えたその明かりを、今度は大人になった助さんが今また灯すのでしょうか。
満腹・満足の夢の中でコチサは、初めて東京で会った助さんと、今回携帯を握り締める幸せそうな助さんが、行ったり来たりしていました。
あっちも助さん、こっちも助さん。
どちらが欠けても、今の助さんじゃなくなる。
あっちの助さんがいたから、今の助さんがいる。
朝もやの煙る午前4時58分。
神戸市○○駅の1番線のホーム、上り方面の最先端に立って、始発電車を見送る助さんがいます。
遠ざかる電車の後ろ姿をいつまでも、人差し指の指差し確認で追い続けています。
助さん!
今度はその手をそのまま上に伸ばして、昇りかけの太陽に焦点を合わせて、
「出発進行!」
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