No.138 2001.9.5

　事務所のビルが、３ヶ月間の大型改装工事に入りました。



　改装工事担当さん

　「あのー、ここは録音されているということなんですが・・・」

　コチサ

　「はい、週に２回ほど」

　改装工事担当さん

　「どのくらいの音がまずいんでしょう？」

　コチサ

　「録音中は冷房も冷蔵庫も切ります。そのおかげでこの夏は蒸し風呂のような生活をしました。また冷蔵庫も電源を抜いたり入れたりがよくないせいで、この５年間で３台目です」

　改装工事担当さん

　「はぁー、で、工事の音に関してなんですが・・・」

　コチサ

　「実際問題として一番困るのは、振動の音です。こればっかりは・・・」

　改装工事担当さん

　「最初の２週間は、足場を作るのでかなりの音が出ると思われますが・・・」

　コチサ

　「その間には、録音が２回ありますね」

　改装工事担当さん

　「今日は裏側の足場を組み立てますが、先ずその音で判断してくれますか？」

　コチサ

　「御意」

　改装工事担当さん

　「もしどうしてもまずい場合は、その時間だけでも工事を止めますが」

　コチサ

　「そんな、多くの皆さまにご迷惑をおかけするわけにはまいりません。その際はスタジオを借りるなり致します」

　改装工事担当さん

　「それはお手数をおかけします」

　コチサ

　「でもスタジオレンタル代は出してちょ」

　改装工事担当さん

　「へっ・・・も、もちろんです」

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　という事で、唐沢寿明さん似のこの担当者と、山口智子似のコチサ（嘘だよ〜ん）が、録音日程表と作業工程表をにらめっこしながら年内の調整作業を重ねました。

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　コチサ

　「じゃぁ、そういうことで」

　改装工事担当さん

　「はい、とりあえずどうしようも無い場合は、携帯に電話をくださればその場で作業は一時中断いたしますから」

　コチサ

　「多分、こちらで待ちにすると思いますが、ギャラの高いタレントさんの録音の場合はそういう事をお願いすることもあるかもしれません」

　改装工事担当さん

　「そんなに差があるんですか？」

　コチサ

　「そりゃ・・・ね」



　ということで、無事折衝を終えたコチサは社長に報告

　コチサ

　「終わったぞー」

　社長

　「ご苦労様」

　コチサ

　「なんの、なんの」

　社長

　「（報告を聞いて）そうだね、それでいこう。こっちもなるべく協力しなくちゃね」

　コチサ

　「どうしようも無い場合は、一時間くらい作業止めてくれるって」

　社長

　「そうだね、納○君なんかが来た場合はそれでお願いするか」

　コチサ

　「コチサの場合は？」

　社長

　「まぁ、いっとき音がおさまるのを待てばいいじゃん」

　コチサ

　「そんなに差があるんですか？」

　社長

　「何が？」

　コチサ

　「いや、納○さんとコチサ」

　社長

　「そりゃ・・・ね」

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　うぅー、この社長、先ほどのコチサと唐沢工事担当者との会話聞いてたな。



　で、結局、外壁大規模改修工事の中、ひっそりと一文話しては音が過ぎるのを待ち、また一文話すという録音作業が始まりました。

　防音設備をしっかりしてもさすがに工事の音には勝てません。

　でもＴ○ＳとかＮ○Ｋとかのビルだって、外壁改修工事くらいするよね。

　そのとき録音どうやってるんだろう？

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　社長

　「防音スタジオの規模が違うんだよ。となりでコンコルドが飛んでも内緒話が聞こえるよ」



　さぁリスニングマガジンをお聞きの皆さん！

　もし台本上に工事現場の様子が多くなったら、あぁこんな裏事情があるんだなとお察しくださm(__)m