No.126 2001.8.8
久々に実家の新築した家の話しを・・・
大工さんに全てのお金をつぎ込んでしまったのか、新築されてそろそろ半年が経っているのに、なかなか家具等の生活備品が準備万端とはいかないようです。
しかし連日のこの暑さ・・・
せめてエアコンくらいは・・・
と思い始めたようで・・・
先ず弟が自分の部屋にエアコンを入れました。
そしてその快適さに刺激されて、ついにお父さんも・・・
お父さん
「浩二、一階の客間にもエアコンを入れるように電気屋さんにお願いしてくれ。これじゃ来てくれたお客さんにも申し訳ない」
そういってお金を手渡したそうです。
コチサ
「ふーん、じゃぁうちもついにエアコンが入るんだ」
浩二
「うん、お父さんもお母さんも、いままでは絶対いらないって言っていたんだけどね」
コチサ
「でも、客間でしょ。あんたの部屋と客間じゃ、お父さんとお母さんの部屋にはエアコン無いままじゃない・・・お父さんとお母さんの部屋にも入れてあげたいね」
浩二
「じゃじゃじゃじゃーん!」
コチサ
「?」
浩二
「実は内緒でもう一台追加したんだ。だから来週の工事は2台だよ」
コチサ
「お金は?」
浩二
「僕のボーナス」
コチサ
「偉いじゃん」
浩二
「うん、でも当日まで絶対内緒だよ」
親孝行な弟です。
姉のコチサも鼻が高い。
ところで次の日、電話でお父さんと話しをすることがあり、ちょっとした言葉の行き違いから、コチサとお父さんは言い争いになってしまいました。
お父さん
「全く、お前は、いつまでたっても親の臑をかじって・・・たまには親孝行くらいしてみたらどうなんだ」
コチサ
「臑なんてかじってないじゃん。それに親孝行なんて、親にわからないようにするのが親孝行なんだよ」
お父さん
「全く口ばっかり、へらこい奴め」
コチサ
「(ムカッ)・・・そんなに言うなら言っちゃうよ、聞いて驚くなよ。来週エアコンの工事があるでしょ。そんときエアコン2台届くからね。そのうち一台は、コチサがこの猛暑でお父さんとお母さんの体を心配して買ったんだからね。お父さんとお母さんの部屋に入れてもらおうと思って・・・」
お父さん
「お前・・・そうなんか・・・」
コチサ
「コチサだってちゃんと、お父さんとお母さんの体の事、考えているんだよ」
お父さん
「そうか・・・すまんかったな・・・」
コチサ
「そう思うなら浩二に何も言っちゃだめだからね。浩二には自分がボーナスで買ったって言えって言ってあるんだからね」
お父さん
「なんでそんな事を・・・浩二に嘘をつかせるなんて?」
コチサ
「それは嘘じゃないんだよ。姉弟は一つなんだよ。親にプレゼントをあげるのに子供からなら一緒なんだよ。だから浩二にそう言ったんだよ。コチサはいつも迷惑をかける役割を演じている事が一番いいんだって・・・だからお前がボーナスで買ったことにしろって・・・いいぃ、浩二を責めないでよ!」
お父さん
「わ、わかったわ。でもお前も変わったのぉ。今までは、人を押しのけても手柄は独り占めしてたのになぁ」
コチサ
「コチサだって、考えているんだよ、じゃぁね」
お父さん
「あっ、ちょっと待て」
コチサ
「(ギクッ)な、何よ?」
お父さん
「本当に、ありがとうな」
コチサ
「いいんだよ。じゃぁね」
ふっー。
すまん浩二
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