No.120 2001.7.25
TVCMなど、コチサの媒体関係のナレーションの仕事を発注してくれる契約事務所から連絡がありました。
何年かぶりで、宣材デモCDを録音するのでよかったら参加しませんか?
というものでした。
ということで、コチサも何年かぶりで南青山のオフィスに出向きました。
コチサ
「おはようございます」
受付の増田さん
「?」
コチサ
「デモCDの録音に来たコチサです」
受付の増田さん
「あっ、益田さんですね。私、新人の受付の増田です。まず社長が久しぶりにお会いしたいと言ってますから、社長室へどうぞ」
−社長室にて−
コチサ
「おはようございます・・・ん?にしむっちゃん、何やってんの?そんなとこ座って」
にしむっちゃん
「おぁ、コチサ、久しぶり」
コチサ
「久しぶり、元気そうだね。で、ダダさんは?」
にしむっちゃん
「いや、3年前から、僕が社長やってんの。ダダさんはちょっとね・・・」
コチサがこの事務所と仕事契約をはじめてしたのは、かれこれ10年前。
当時の社長ダダダンキチは、外見は越前屋俵太さんのような感じでしたが、まぁよく言えば天才肌、悪く言えば放蕩三昧の流れ者って感じのおっさんでした。
(コチサには、とっても良くしてくれたんだけどね)
景気が良いうちは、このダダダンキチタイプの人はうまく流れに乗って順風満帆に事を進めていけるのですが、景気が悪くなるに従って逆に世間から浮いてしまう存在になったようです。
そしてこのダダダンキチと一緒にこの事務所を設立したのが、ダダダンキチとは正反対のタイプの、このにしむっちゃん(改め現在の社長)でした。
温厚で穏やか、冷静沈着で、ダダダンキチの暴走を食い止め、事務所を円滑に維持する為の多大な貢献をしてきたのを、コチサは知っていました。
コチサ
「へー、そういう訳なんだ(この訳についてはさすがにコチサも書けないっす)」
にしむっちゃん(改め新社長)
「そう、それで3年前からね」
コチサ
「全然知らなかったよ」
新社長
「だって、事務所に全然顔出さないじゃん。忘年会も毎年誘ってるのに来ないし」
コチサ
「会費が高いんだよ。でもそういえば、ここ数年はシステムが変わってきたって感じだったよね。毎月NGスケジュールシートを提出したりして」
新社長
「悪いな、毎月提出してもらってもなかなか仕事来なくて」
コチサ
「いいよ、今日良いデモCD作れば、またきっと仕事くるよ」
新社長
「そだな。でもコチサの場合なぁ・・・」
コチサ
「な、何よ?」
新社長
「いや、実はこれは前社長時代からの悪しき習慣でな。声のプロの宣材に顔写真なんて大した問題じゃないという姿勢でな。特にコチサのは10年前のままなんだよ、ほら」
コチサ
「うっひゃぁ!!!!」
まぁこっちも事務所に顔を出さなかったせいもあるんだけど、この事務所に保管されてるコチサのプロフィールと言ったら・・・
10年前の写真がそのまま貼り付けられている。
それも初めてこの事務所にやって来て、準備も無くいきなり撮られたポラ版。
コチサ
「あのねぇ・・・いくら声って言ったってクライアントにしてみれば、顔写真がついていたら見るでしょ」
新社長
「そうだよな。この顔じゃ嫌だよな」
コチサ
「いや、そういう事じゃなくて・・・」
新社長
「どう見ても、田舎からぽっと出てきた垢抜けない山猿だよな」
コチサ
「いや、だから、そういうことじゃなくて・・・」
新社長
「っていうことは、反対に考えてみると、この写真でも仕事をくれたクライアントっていうのはある意味すごいよな」
コチサ
「おい、言いすぎだぞ」
新社長
「いや、すまん。久々に見て、つい興奮して・・・」
コチサ
「・・・」
新社長
「じゃぁ、とりあえず写真だけでも撮り直すか」
コチサ
「送るよ。コチサにも専属カメラマンがいるんだから」
迂闊だった。
現在の事務所ではいつも最新のプロフィールと写真を用意して準備万端にしていたけれど、もう一つの契約していたこの事務所の事を忘れていた。
この事務所は、10年前の山猿の写真にプロフィールをつけて日夜営業をしてくれていたとは・・・
新社長
「(新しいプロフィールを手にして)よし、新生コチサの出来上がりだな。これでじゃんじゃん仕事来たら、よっぽどあの写真がって事になるな」
コチサ
「もうその話はしなくていいよ。今を、今だけを見つめようよ」
新社長「にしむっちゃん」を擁して新たなる戦いの船出を漕ぎ出す「○○○コーポレーション」・・・
新生コチサのプロフィールは果たして救世主となれるか・・・
ここ数ヶ月の、コチサニュース、目が離せませんね。
|