コチサニュース No.107 2001.6.25

 砂太郎

 「すいません、コチサさん、恥ずかしいからやめてくれません?」

 コチサ

 「ん?なに?」



 選挙戦の仕事が終わった翌日、早速ナレーションの仕事でスタジオ入り、その移動中の出来事です。



 砂太郎

 「窓から笑顔で通りの人に頷くのやめて下さい、恥ずかしいから」

 コチサ

 「ん?そう?気が付かなかったよ」

 砂太郎

 「そういえば、前回の衆議院選挙の後も、車に乗ってたら手を振ってましたよ」



 条件反射というのは恐ろしいものです。

 車に乗っていて、人と目があったら笑顔で頷いて手を振るくせが体に染み込んでいます。

 前回もこのくせが抜けるまで随分時間がかかったものです。



 砂太郎

 「恥ずかしくないんですか?」

 コチサ

 「全然。手も振れるよ、振ってみようか」



 そういって、笑顔で街行く人に手を振るコチサ。

 街の人は、びっくりして「何だろう?」という顔でこっちを見ています。

 でも不思議、コチサは全然恥ずかしくない。



 砂太郎

 「やめて下さい、恥ずかしいです」

 コチサ

 「なんで、全然平気だよ」

 砂太郎

 「みんな、この人なんだろうって顔していますよ」

 コチサ

 「なんだろうって、コチサじゃん」

 砂太郎

 「・・・」

 コチサ

 「雅子さまとか皇太子様とかってこんな気持ちなんだろうね」

 砂太郎

 「えっ?」

 コチサ

 「車に乗っていて人と目が合ったら、自然に笑顔が出て、手を振れるんだよ」

 砂太郎

 「それはいいですけど、コチサさんはいい加減やめて下さい、僕本当に恥ずかしいんです」



 というわけで、笑顔も手振りもやめたコチサ。

 ところが、これが苦しいのです。

 車に乗っていて、窓から笑顔も見せられず、手も振れないなんて・・・



 コチサ

 「だめ、なんか酸欠状態になりそう」



 窓を開け、やっぱり笑顔で手を振るコチサ。

 砂太郎は、アクセルを踏み込み、逃げるように青山通りを駆け抜けていきました。


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