コチサニュース No.105 2001.6.20

 啓太からメールが届きました。

 驚きも驚き、びっくりです。

 (啓太の詳しい話は、コチサペッパーフレンズ第28話「啓太の調べ」

 を読んで下さいね)



 ピアノ発表会でいつも頑張っていた啓太。

 コチサを「射手座、射手座」と呼んで慕ってくれていた啓太。

 いつもせっかちに弾いては間違えていたのに、その時は真剣にとっても上手に弾いていました。

 それは・・・



 啓太のお父さんから、「コチサは有名になったから、ピアノ発表会の司会はこれが最後だ」と間違った情報を聞かせれた啓太の、啓太なりの送別の演奏だったのでした。

 でも結局、コチサはその次の年もMCやってたし、全然有名じゃなかったんだけどね。

 そんな啓太は、小学校高学年になるとピアノをやめ、それっきりピアノ発表会に顔を出すことはありませんでした。




 啓太

 「ご無沙汰しています。○○啓太です。ホームページ見ました。まだ発表会やってるんですか?」

 おいおい、何がご無沙汰していますだよ、いっちょ前に・・・

 と思ったところで気が付きました。

 啓太はもう中学生なんだ。



 コチサ

 「啓太君、メールありがとう。元気ですか?もうピアノはやらないの?」

 啓太

 「今、野球をやっています。遅くまで練習なので、とてもピアノなんて出来ません」



 巨人軍の松井選手が好きで、中学生になって野球部に入ったそうです。

 毎日遅くまで練習しているそうです。

 ノックを受けて泥まみれになっているのでしょうか?

 半ズボンスーツと蝶ネクタイをして、ちょこんと椅子に座って背筋をピンと伸ばしてピアノを弾いていた啓太と、泥まみれのユニフォーム姿はどうも重なりません。

 それに、この大人びたメールのやりとりも・・・



 コチサ

 「啓太、大人になって礼儀正しくなったんだね。ちょっとがっかり」

 啓太

 「もう中学生ですから。入学祝いに送ってもらったカード今も飾ってありますよ」

 コチサ

 「どういたしまして。でも毎日遅くまで大変だね。頑張ってね」

 啓太

 「この前、ピアノ発表会、実は客席から見てたんですよ。まだやってるかなって思って。もう「イチ・ニ・ニ・イチ、痛てぇ、射手座」はやらないんですね」

 コチサ

 「もう封印したんだよ。新しいのはね、「ワン・ツー・ツー・ワン、戌年です」って言うんだよ」  啓太

 「今は週末は、練習試合があって忙しいんですけど、また時間があったら見に行きますね」



 ん・・・

 どうもしっくりこない。

 嫌だなぁ、この年の少年は・・・

 変に距離をおいちゃって・・・



 コチサ

 「じゃぁ、啓太の近くの会場になったら連絡するよ。急だったらお母さんかお父さんに伝えておくから」

 啓太

 「そうして下さい、何かあったら親から携帯に連絡来ますから」

 コチサ

 「啓太、中学生のくせに携帯持ってるの?」

 啓太

 「みんな持ってますよ」

 コチサ

 「番号教えなさい」

 啓太

 「なんでですか?」

 コチサ

 「いーから」



 そして早速啓太の携帯に電話・・・


 啓太

 「もしもし・・・」

 コチサ

 「あれ啓太?・・・はははおっかしぃ、声変わりしてんの(大笑いのコチサ)」

 啓太

 「な、なんだ射手座かよぉ・・・なんだよぉ」

 コチサ

 「なんだじゃないよ、ちゃんと練習してるか、かけて見たんだよ」

 啓太

 「してるよ、ちゃんと・・・用が無いなら電話すんなよ」



 良かった、声変わりこそしていたけど話口調はあの頃の啓太のまんま。

 思わずコチサを「射手座」と呼んでしまって、動揺している様子も可笑しくて。


 コチサ

 「コチサ安心したよ。ピアノやめても、中学生になっても、啓太が啓太のままで」

 啓太

 「なんだよー、何言ってるんだよ」

 コチサ

 「いいよ、何でもない。そうだ啓太、今度試合のとき、コチサ応援に行ってあげようか?」

 啓太

 「いいよ、来なくて」

 コチサ

 「行くよ、行くよ。そしてマイク持ってウグイスやってあげるよ。「4番センター、啓太、背番号55」どう?」

 啓太

 「僕まだ一年だよ。補欠だよ。だからポジションも無いし、背番号もないんだよ・・・でも、ありがと」



 啓太の青春始まったばかり。

 頑張れ啓太!

 あっ、ちなみにコチサの青春だって終わってないからね。


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