コチサニュース No.96 2001.5.30

 音響の砂太郎の新しい車がやってきました。

 前回90号のコチサニュースが思わぬ反響を呼び、たくさんのメールをいただきました。

 そこで、今回はその後の砂太郎を・・・

 砂太郎の車は、今度は10万円の車じゃありませんでした・・・



 コチサ

 「あれ、凹んでないし傷もない・・・」

 砂太郎

 「一応、買ったばっかりですから」

 コチサ

 「でも前のやつは、買った時からボロボロで凹んでたじゃん」

 砂太郎

 「あれは10万円でしたから・・・」

 コチサ

 「今度のは?」

 砂太郎

 「40万円くらいです」

 コチサ

 「す、すごいじゃん、砂太郎・・・前年比400%UPって感じじゃん」

 砂太郎

 「意味がよくわからないんですけど」

 コチサ

 「いいんだよ、意味なんかないんだから」



 砂太郎の車は、濃い青色のわりとピカピカな車でした。

 コチサは、車種とか興味がないのでよくわかりませんが、「車」って感じです。

 中古車とはいえ、普通届けられたばっかりの車はこうじゃなくちゃねって感じです。



 コチサ

 「乗らせて・・・うん、新しい匂いがする・・・クーラーとかもつくの」

 砂太郎

 「えぇ、一応」

 コチサ

 「ラジオは?カセットテープは?CDは?」

 砂太郎

 「ラジオとテープが・・・」

 コチサ

 「窓は電動?」

 砂太郎

 「えぇ・・・」



 これって21世紀の会話か・・・

 コチサが子供の頃、水色の車がわが家にやって来た。



 お父さん

 「サチコ、新しい車や。どや?」

 コチサ

 「あー新しい匂いがする」

 お父さん

 「そりゃ、新車やからな」

 コチサ

 「わーお父さん、これラジオ?」

 お父さん

 「そや、ラジオだけじゃないでぇ、カセットテープもかかるんや」

 コチサ

 「じゃぁお父さん、八代亜紀さん聴けるんやなぁ」

 お父さん

 「そうや、お前の好きなクールファイブも聴けるでぇ」

 コチサ

 「うわー、うわー、窓が勝手に・・・」

 お父さん

 「ここやここ、このスイッチで自動で開いたり、閉じたりするんや」

 コチサ

 「すごいなぁー、お父さん、偉いんやなぁ」



 技術の最先端の象徴の自動車は、日々進化を遂げているから、昔すごかったことが今ではほとんどのことが当たり前になっています。

 それなのに、コチサと砂太郎の会話は、お父さんとコチサの時代の会話の焼き直しだ・・・



 砂太郎

 「前の車に比べたら全然乗りやすいです」

 コチサ

 「そだね、今回は10万円じゃなかったもんね。4倍になってたんだから、このペースで行くと、今度は160万円のやつ買えるね」

 砂太郎

 「そしたら、新車が買えますね」



 40万円の車はまた機材を乗せて、全国を東や西に走り回るのだろう。

 時には、リスニングマガジンの無理難題を背負って、深夜から明け方まで走りつづけるかもしれません。

 時間に追われた搬入搬出で、また少しづつ傷がついていくことでしょう。

 同じような日々、同じような作業の繰り返しが続くのかも知れません。



 でも10万円から40万円の車に変った事は、砂太郎のみならず、コチサやリスニングマガジンスタッフに少しだけ希望をくれたような気がしました。

 本当に余裕があって、10万円から40万円になったのか、無理をしたのかはわかりません。

 でも砂太郎の選択は、曇り空の中を透かしてちょっぴり太陽が顔を覗かせ、その存在を教えてくれたような・・・

 そんな気分にさせてくれました。



 コチサ

 「ただの新車じゃなくて、外車だよ外車。今度は絶対外車が買えるようになるよ!」

 砂太郎

 「車は外車が一番という所が、いかにも昔の人っぽいですよね」

 どゆこと?


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