No.79 2001.4.16
歩いて30分ほどの距離に、大きな図書館があります。
休日は散歩も兼ねて、その図書館に出かけるようにしています。
午前中に出かけて・・・
先ずは、一週間分の全国紙を読みます。
ふんふん、なるほど、なるほど、こんな事件があったのか・・・
(コチサの発信する情報に、新鮮味が無いのはこのためか・・・)
そしてお昼・・・
図書館の斜め前に、安いコーヒーショップがあるので、ココアとホットドックを買って禁煙席に陣取ります。
約300円
午後、再び図書館に戻り、今度は週刊誌や月刊誌をチェックします。
図書館ってすごい、なんでもあるんだもん。
「anan」から始まって、「ar」とか、女性誌。
「ぴあ」、「東京ウォーカー」、などの情報誌。
「うわさの真相」なんかもあるので、「へぇー本当かな」とか言っちゃったりして・・・
一応コンピュータ関連の雑誌もチェック・・・
「CD-Rかぁ、欲しいなぁ・・・」
そして、お芝居の雑誌やパフォーマンスの雑誌も・・・
「テアトロ」とか「せりふの時代」とか・・・
ひとしきり全ての雑誌に目を通したところで、今度は書架をめぐり歩き・・・
借りていく単行本を選びます。
現在のベストセラーなんかは、2カ月待ち、3カ月待ちが当たり前なので、一応待ち行列に名前を書き込んでおきます。
(でもこういうのって、自分の番が回って来る頃には興味無くなっちゃうんだよね)
そして3冊ほど、面白そうな本を選び受付に並びます。
コチサ
「こんにちは、今日はこの本貸して下さい」
担当のお姉さん
「あぁこんにちは、いつもありがとうございます」
コチサ
「なんの、なんの、借りているのはこっちの方です。ありがとうはこっちの言葉です」
担当のお姉さん
「いえ、いつも購入希望書もせっせと書いていただいて・・」
コチサ
「いえ、読みたい本のリクエストをしているだけですから」
担当のお姉さん
「いつも、ご希望に添えなくてすみません」
コチサ
「とんでもありません、きっと私の希望する本が他の多くの皆さまの需要と合致しないから、致し方の無いことなのでしょう」
担当のお姉さん
「あら、ま」
コチサ
「えぇ、いつも留守番電話に入れて頂く言葉なので、もう覚えてしまいました」
担当のお姉さん
「も、申し訳ありません」
図書館に入荷する本は、一般利用者の要望も加味して決められます。
図書館には必ず、「購入希望図書申請」のような書式があって、それに書き込んでお願いすると、会議に諮られ、購入の是非が決められます。
「Aタイム、システムノート」
「発声法あれこれ」
「ゲインズブール光と陰」
「ナナンちゃんの大冒険」
・・・・・
コチサの申請する本はこれまで、ことごとく却下されてしまいました。
その度に、コチサの家の留守番電話に連絡が入ります。
「○○図書館ですけど、今回お宅様から申請があった、○×○×の購入の件ですが、会議に諮り検討しましたところ、お宅様の申請される本は、他の多くの皆さまの需要と合致しない可能性がありますので、今回は見送りにさせていただくことになりました。今後とも○○図書館をご利用いただきますようにお願い申しあげます」
丁寧な応対が心地よかったので、ちょっとマネをしただけなのに、貸出担当のお姉さんは恐縮してしまったようです。
コチサ
「冗談です、冗談。こんなにたくさんの本があるんですから、新しい本を買って頂かなくても読みたい本はたくさんあります」
担当のお姉さん
「ありがとうございます。はい、じゃぁこれ今回の3冊、返却は2週間後です」
コチサ
「ありがとうございます」
図書館を出る頃は、少しだけ日差しが横からになっていて、そろそろ夕方が近いことを教えてくれます。
もし毎週、あれだけたくさんの情報誌を買って読んでいたら結構お金かかるよね。
図書館の帰りは、いつも何か得した気分になるのが不思議です。
そして気が大きくなったコチサは、同じ通りにある大判焼屋さんの匂いの誘惑に陥落します。
コチサ
「おじさん、こんにちは」
おやじ
「おうー、いらっしゃい、来たね、やっぱり」
コチサ
「な、何、そのやっぱりって」
おやじ
「いや別に、この街にあんたほど大判焼が似合う子もそういないからね」
コチサ
「それ誉めてんの?」
おやじ
「当たり前だろ。今度大判焼組合でミス大判焼コンテストでもあったら、おじさんあんたを推薦してやっからよ」
コチサ
「本当にあるの?その大判焼組合とか、ミス大判焼とか・・・」
おやじ
「今度出来るんだよ・・・で、今日は何?」
コチサ
「うん、小倉とカスタード・・・あとチーズもね」
おやじ
「おっ、今日は3つかい、気前がいいね、じゃぁおまけで、レーズンも入れちゃうか」
コチサ
「おじさん、それだけはやめて。世の中でレーズンだけは食べられないの、サービスしてくれるなら小倉をダブルでね・・・」
おやじ
「はい、300円、おまけ一個付き」
コチサ
「ありがと」
途中の公園で大判焼を2個食べ、残りは家に帰ってからの夕食となりました。
仕事のない休日、充実の一日。
諸費用600円。
次の休日の時は、
昼のコーヒーショップをコンビニのサンドイッチに変えて、大判焼屋のおじさんとの交渉ももう少し上手になって、半額の300円で満足の完璧な一日に挑戦だい。
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