No.71 2001.3.28
コチサが四国出身ということで、今回の芸予地震へのお見舞いのメールをたくさんいただきました。
実家は香川県なので、おかげさまで大きな被害は受けることはありませんでした。
お気遣いをいただきましてありがとうございました。
とはいえ・・・
ニュースを聞いた時は、コチサも焦りました。
災害時の電話はいけないとは思いつつもつい電話をしてしまいました。
父
「はい・・・」
コチサ
「あっ、お父さん、地震大丈夫だった?」
父
「あぁ、ちょうど道を歩いとってな、道がぐらっと来て驚いたけどな。阪神大震災の時ほどは驚かんかったわ」
阪神大震災の時は、早朝でもあったため、家の屋根が一挙に吹き飛ぶんじゃないかと寝ていて思ったそうです。
父
「ところで、親戚一同みんな心配の電話をくれたけど、娘のお前が一番遅かったな」
コチサ
「何言ってるの?災害時に電話したらいけないんだよ。みんなが一カ所にかけたらパンクしちゃうんだよ」
父
「それでかけんかったんか?わしは、どこかで遊んで今ニュースを聞いたばかりかと思うたわ」
コチサ
「(図星)な、なに、言ってるんだい、とーちゃん(動揺)・・・コチサはね、こういう時に開設される災害伝言ダイヤルにちゃんとかけていたんだよ(もちろん嘘)、お父さんこそ、そういうのちゃんと聞いておかなくちゃダメだよ」
父
「そ、そうなのか、そりゃすまん。で、どうすればその災害伝言ダイヤルを聞けるんだ?」
コチサ
「(焦・・・)いいんだよ、もう。こうして声きけたんだから、気にするなよ・・・」
父
「なんか怪しいな・・・お前は子供の頃から嘘をつくと語尾がおかしくなるんだ」
コチサ
「よ、よせやい、とーちゃん、何を言ってんのさぁ」
父
「それ、東京弁のつもりか?」
コチサ
「ま、まぁ・・・それよりまたお米送ってちょ」
父
「おう無くなったか・・・また玄米でええのか?」
コチサ
「うん!」
父
「何が悲しぃて百姓の娘が玄米食べるんやろな」
コチサ
「お父さん、今は玄米は健康食なんだよ」
父
「まぁいいわ、精米せんでえーからこっちも楽やしな」
コチサ
「頼んだぞ!とーちゃん!」
たくさんの親子が、この日本列島の離れた所で暮らしています。
地震などの災害が起こった時の家族への心配は、並大抵のものではありません。
電話がつながって、「もしもし」の声を聞いた瞬間、その心配は一気にすーと消えて無くなります。
ちょっぴり不安げにかけた電話も、「もしもし」の声を聞いた後には、いつもの辛口のやりとりに戻ります。
ほっとして電話を切ったコチサでしたが、今回の芸予地震では被害にあわれた方々もたくさんいらっしゃいます。
平穏な日々の中、コチサはいつのまにか昨日と同じ今日が来て、今日と同じ明日があると思っていたようです。
でも当たり前のことだけど、昨日と同じ今日は絶対に来ないし、今日と同じ明日を期待することは意味のないことだと思いました。
以前読んだ本では、こういうことを「人生の目覚まし時計」と書いてありました。
父は早速、被害にあったお家の修理の手伝いに出かけました。
「じゃぁ行ってくる」
父の元気な声をききながら、人生の目覚まし時計がなってからその事に思い至るのではなく、日々そういうことを考えて生きていきたいと、ほろ苦い気持ちが沸き上がってきました。
今回の芸予地震で被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
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