No.030 2000.12.15
長い揉め事の末、アメリカ合衆国大統領に、共和党のブッシュさんが就任されることになりました。
一緒に戦い敗れた民主党のゴア候補には、以前コチサと同じジョギングシューズを履いていたので親近感は持っていたのだけれど・・・
ところで、ブッシュさんのお父さんはクリントン政権になる前に大統領だった人。
ということは、10年前はお父さんが大統領で、その10年後は息子が大統領ってこと。
以前、我がコチサ家でも、お父さんから弟への代替わりを綴ったけど、アメリカ合衆国大統領となると規模が違う。
ってことで早速お父さんに電話。
コチサ
「ブッシュ家ってすごいね、大統領から大統領へのバトンタッチだよ」
父
「ウチだって、消防団の団長、10年後には浩二が継ぐかもしれんだろ」
コチサ
「規模が違うじゃん」
父
「正月の獅子舞も、ワシの跡を継ぎおった」
コチサ
「だから、規模が違うじゃん」
父
「じゃぁ何か、息子ブッシュが獅子の頭をやり、父さんブッシュが足をやる、アメリカ大統領にそれができるんか?・・・わしら親子は出来る・・・ふっ、まだまだ浩二の頭役は未熟だけどな・・・」
コチサ
「お父さん、そんなとこで「ふっ」なんて感慨にひたってないで・・・そんな話じゃないんだから」
父
「じゃぁ、どんな話なんだ?なんの電話なんだ?この話をしてきたのはお前だろ」
コチサ
「ま、まぁね・・・あのお母さんに代わって」
母
「何?」
コチサ
「ブッシュ親子ってすごいね、二人とも大統領だよ」
母
「親子だから、よー似ちょるんやろ」
コチサ
「私も10年後にはお母さんみたくなるのかな?」
母
「ならんと思うよ」
コチサ
「何で?親子だから似てるんでしょ」
母
「お前とあたしじゃ苦労が違う」
コチサ
「そんなぁ、あたしだって苦労はしてるよ」
母
「お前がこの先どんなに苦労しても、あたしの苦労には勝てんのよ。あたしは世界一の「苦労の種」背負ってるんだから」
コチサ
「お母さん、それってもしかして・・・」
母
「そう、お前」
ちぇっ、せっかくアメリカ合衆国大統領就任を祝おうと思ったのに、台無しだい!
母
「お前、本当は大統領選挙なんて興味ないんやろ?」
コチサ
「うん」
母
「でも、なんとなくそんな話題を出すと、賢くなった気がするんやろ?」
コチサ
「う、うん」
母
「で、つい話してみるけど、続かないんやろ?」
コチサ
「ま、まあね」
ちぇっ、なんて両親!
なんでもかんでもお見通しってわけですかい。
お正月の足音が聞こえてくると、実家が恋しくなる。
帰省の日を指折り数えるけど、待ち遠しくて何かの理由をつけては電話をしてしまう。
もしかしたらブッシュ新大統領は、来年早々のホワイトハウス入りが、実家に帰るように懐かしく感じるのかも知れない。
かつて居を構えて、家族団欒のあった場所、それがホワイトハウスでも、狐が出る山の奥でも、嬉しい気持ちは似ていたりして・・・
母
「お前は帰って来て寝るだけだからな。でもブッシュさんは、いろいろ大変だと思うよ」
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