コチサニュース No.026 2000.12.6

  今年も「小羊クリスマス(園児たちの生誕劇のお芝居)」の仕事に行って来ました。

 0歳から5歳までの園児の、歌と踊りとお芝居・・・

 毎年見ているけれど毎回ジーンとくるんだな、これが。

 毎年の注目は、イエスさま役を演じる0歳児の赤ちゃん。

 舞台の中央のゆりかごに揺られて、ただ「そこにいる」だけの演技ですが、これがなかなか難しい。

 ほとんどの子供が泣き出します。

 そしてたとえ泣き出しても、お芝居は続きます。

 でもマリアさま役やその他の役の園児たちの台詞より、泣き声の方が大きくなってしまうと、みんなおろおろ・・・

 今回のイエスさま役の赤ちゃんは、とっても可愛い男の子。

 とうとう最後まで泣かずに、ニコニコとゆりかごに揺られていました。

                   

 開演前の楽屋でこんな会話がありました。

 女の子1

 「ねぇ、いくつ?」

 コチサ

 「えっ?」

 女の子2

 「いくつ?」

 コチサ

 「えっ、みんなのお母さんよりちょっと下くらいかな」

 女の子1

 「じゃぁ28さいだね」

 女の子2

 「違うよ30さいだよね」

 コチサ

 「なんで?」

 女の子1

 「だって、うちのお母さん29さいだもん」

 女の子2

 「うちは31さいだよ」

 コチサ

 「うーん、そう・・・今日はお芝居頑張ろうね(話題を変えたいコチサ)」

 女の子2

 「うん、頑張る。ねぇ30さい?」

 コチサ

 「今年のイエスさまは誰がやるのかな?」

 女の子1

 「マサル君だよ。ねぇ28さいだよね」

 コチサ

 「あっ、先生が呼んでる・・・お姉さん行くね」


 逃げるように立ち去るコチサの背中に声が響く。


 「おかーさん、司会のお姉さん30さいだってぇ〜」

 「ちがうよー、28歳だよー」

 そうかいそうかい、子供たちを差し向けたのはお母さんたちだったのかい・・・

                   

 20世紀最後の舞台に立ち、立派にその役を務めた0歳から5歳の園児たち。

 21世紀は、人生の舞台に立って花を開かせていくんだね。

 ステージで見せた笑顔と心に沁みる歌声が、人生というステージでいっそう輝き、煌きますように・・・

 舞台袖でそんな感慨にふけるコチサは、心構えはもう立派な母親か・・・

 でも来年も再来年も、園児たちには「おねえさん」と呼ばせ続けるぞ、と決意を新たにするコチサであった。


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